2023年度 上半期(会計年度 2023年4月1日 - 2023年9月30日)
2023会計年度 上半期 日本M&A 9兆円 27%増加
2023会計年度 上半期(2023年4月-9月期)の日本企業が関与するM&A公表案件は、総額8.8兆円と前年同期比27.2%増加し、2021年以来の堅調な滑り出しとなった。1,000億円超の案件は総額4.7兆円となり、前年から47.7%増加した。案件数は合計17件、このうち10件を国内案件が占めた。全体の案件数は2,195件となり、上半期比2.4%の減少となった。
原料、材料が1.5※円で首位 240%増加
被買収企業の業種別で見ると、取引総額が最も高かったのは原料、材料で、総額1.5兆円と前年同期比239.9%増加し、市場シェアは16.6%を占めた。2位はハイテクノロジーで総額1.3兆円と、前年同期比19.7%減少し、市場シェアは15.2%を占めた。3位はへルスケアで、前年同期比88%増加の総額1.1兆円に達した。
サステナブル・ファイナンスM&Aアクティビティ 776%増加
日本企業が関与するサステナブル・ファイナンスM&Aアグティビティは、総額5,968億円と前年同期比775.7%増加し、1980年の集計開始以来、会計年度上半期ベースで歴代2位の水準となった。案件数は、56件に達し前年同期比19.1%増加した。今期の上位案件中5位にランクインした、NTTアノードエナジーとJERAによるグリーンパワーインベストメント買収案件(3,000億円)は、国内の風力発電関連では過去最大、グローバルでは歴代3位の規模となった。
国内案件48%増加 IN-OUT案件 143%増加 OUT-N案件72%減少
上半期の国内案件は、総額4.9兆円と前年比43.4%増加し、3年ぶりの高水準となった。今期1位となったのは、産業革新投資機構の傘下にあるJICキャピタルが運営する、JICC-02によるJSR買収案件(1兆56億円)。同案件は、国内の化学関連では過去最大の規模。これにより、国内の原料、材料セクターは上半期比で1.076%増加となった。ケネディクス・オフィス投資法人によるケネディクス・レジデンシャルネクスト投資法人とケネディクス商業リート投資法人の吸収合併案件は、総額6,526億円にのぼり、国内の不動産関連は前年同期比855%増となった。IN-OUT案件は、総額3.1兆円と、前年同期比142.9%増加し2年ぶりの高水準となった。一方で、OUT-IN案件は、総額4,672億円と前年同期比71.6%減少し、2019年以降最低水準となった。
上半期のトップアドバイザーは野村
2023会計年度上半期の日本関連公表案件ベースのM&Aリーグテーブルは、野村が総額3.2兆円で2019年以来4年ぶりに首位となった。案件数ベースでは、デロイトが合計47件と上半期ベースで2連覇となった。
順位 | ランク日 | 被買収側企業 | 被国籍 | ランクバリュー | 買収側企業 | 国籍 |
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1 | 2023年6月26日 | JSR | 日本 | 10,056.6億円 | JICC-02(産業革新投資機構) | 日本 |
2 | 2023年4月30日 | アイベリック・バイオ | 米国 | 7244.0億円 | アステラスUSホールディング | 米国 |
3 | 2023年8月2日 | 伊藤忠テクノソリューションズ | 日本 | 3,876.3億円 | デジタルバリューチェーンパートナーズ | 日本 |
4 | 2023年6月13日 | ケネディクス・レジデンシャル・ネクスト投資法人 | 日本 | 3,718.8億円 | ケネディクス・オフィス投資法人 | 日本 |
5 | 2023年5月16日 | グリーンパワーインベストメント | 日本 | 3,000.0億円 | 投資家グループ | 日本 |
6 | 2023年6月13日 | ケネディクス商業リート投資法人 | 日本 | 2,808.0億円 | ケネディクス・オフィス投資法人 | 日本 |
7 | 2023年7月28日 | KDDI | 日本 | 2055.7億円 | KDDI | 日本 |
8 | 2023年5月12日 | カーゴ・パートナー子会社(63社) | オーストリア | 2,055.7億円 | 日本エクスプレス 欧州 | ドイツ |
9 | 2023年5月12日 | SBI新生銀行 | 日本 | 1,542.0億円 | SBI地銀ホールディングス | 日本 |
10 | 2023年4月27日 | ブラックモアズ | オーストラリア | 1,526.2億円 | キリンホールディングス | 日本 |
出典:Refinitiv(リフィニティブ)
(注)公表案件ベースのリーグ・テーブル・ランキングは、リフィニティブが認識している2023年1月1日から2023年9月30日の期間に公表された案件を対象としており、今期および昨年の全てのデータは、日本時間2023年10月2日午前10時に抽出したものである。ランキングにおける取引金額はすべて日本円で表示され、不動産案件は除外している。リーグテーブル対象となるのは、合併、買収、市場を介さない自己株式取得、スピンオフ、公開買付による自社株買い、少数株主持ち分(50%以下)の株式取得、及びデット・リストラクチャリング案件である。公開買付・合併案件は、その案件が完了した日付をもって有効と見なす。取引金額が非開示の案件もランキングの対象となり、その場合取引金額は表示されない。
本記事は、LSEG:Refinitiv 「日本会計年度 インベストメント・バンキング・レビュー 上半期」より許可を得て一部掲載しています。詳しくはウェブサイトをご参照ください。https://www.refinitiv.com/ja