日本企業がかかわるM&Aでちょっとした“異変”が起きている。1000億円を超える大型M&A(適時開示ベース)が7月から10月まで4カ月連続で途絶え、2013年3月から6月にかけて記録して以来10年ぶりとなった。M&A件数そのものは過去10年で最多のペースで推移しているが、夏場を境に案件規模が目に見えて細っている。
上場企業に義務づけられた適時開示情報のうち経営権の異動を伴うM&A(グループ内再編は除く)をもとにM&A Onlineが調べた...
M&Aの取引金額が夏場を境に大きく鈍化している。1~9月累計(適時開示ベース)は前年を27%上回る6兆777億円と好調。ところが、四半期別では1~3月、4~6月が各2兆6000億円に対し、直近の7~9月は約8500億円にとどまり、急ブレーキがかかった形だ。
2023年のM&A戦線は早くも折り返しに入った。上期(1~6月)の上場企業によるM&A件数(適時開示ベース)は前年を43件上回る501件と年間1000件のハイペースで推移している。そんな中、前半戦に最も多くのM&Aに取り組んだ企業はどこか?
2022会計年度(4月-3月期)の日本企業が関与するM&A公表案件は総額16.7兆円と4年連続の減少となった。案件数は32件でこのうち15件を国内案件が占めた。トップアドバイザーは野村が2019年以来3年ぶりに首位となった。
取引金額が1000億円を超える大型M&Aは今年、いつ飛び出すのか? 2023年も第1四半期(1~3月)の最終盤を迎えたが、いまだに1000億円を上回るM&Aはゼロ。第1四半期としてこのままゼロに終われば、リーマンショック(2008年)後の過去15年間で初めてとなる。