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高齢者は増えているのに、なぜ「葬儀社の倒産」が相次ぐのか?

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葬儀業界は負のスパイラルから「レッド・オーシャン」に

第二に葬儀業界の競争激化である。「単価」が下落すれば、受注を増やすしか収益は上がらない。当然、葬儀の奪い合いとなり、低価格競争に突入する。そしてさらに「単価」が下落して、さらなる低価格競争に陥る…という「負のスパイラル」だ。

「価格.com」や「葬儀レビ」などの葬儀費用比較サイトのほか、葬儀社が自社サイトで「低価格」を謳(うた)い文句にするなど、主にインターネット上での低価格競争が葬儀「単価」の下落に拍車をかけている。

低価格競争が激化すれば、体力の弱い葬儀社から淘汰されていくことになる。同調査によると2017年度の年間売上高増加率は売上高100億円以上の大手葬儀社で前年比5.6%増なのに対し、1億円未満の零細葬儀社では同1.7%減と二極分化が進んでいる。実際、倒産しているのは地方の中小葬儀社がほとんどだ。

こうした厳しい環境はさらに続くとみられ、今後は大手葬儀社のシェア向上と中小葬儀社が生き残るためのM&Aが加速しそうだ。福島県を中心に葬祭事業や石材事業、婚礼事業を展開するこころネット<6060>は2017年12月に葬儀会社の玉橋(福島県本宮市)の全株式を取得して完全子会社化、2018年12月には冠婚葬祭事業を手がける北関東互助センター(宇都宮市)を完全子会社化している。

積極的なM&Aで急成長する葬儀社も現れた。葬儀社のM&Aによって、わずか3年で葬儀業界3位(同社推定)にまで駆け上がったライフアンドデザイン・グループ(東京都中央区)がそれ。もともと葬儀社を対象にしたコンサルタント業務を手がけていたが、その縁で2016年に洛王セレモニー(京都市南区)や神奈川こすもす(川崎市川崎区)を傘下に入れたのを皮切りに、ルミーナ(兵庫県丹波市)、セレサ(大阪市平野区)を相次いで買収した。

一方、流通大手のイオン<8267>は子会社のイオンライフ(千葉市美浜区)を通じて「イオンのお葬式」で葬儀市場に参入しており、今後も異業種からの新規参入が加速するだろう。さらには大手葬儀社同士の合併による「業界大再編」の可能性もある。今や葬儀業界は血で血を洗う「レッド・オーシャン」なのだ。

流通大手のイオンも葬儀ビジネスに参入した(イオンライフのホームページより)

文:M&A online編集部

M&A Online編集部

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