コロナ禍で「良品計画」の米国子会社が破綻 海外事業で苦戦する日本企業

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東京・丸の内の店舗

ペッパーフードやキユーピーも苦戦 

ペッパーフードサービスの米国子会社で経営破綻したKuni’s Corporationは、米国で「いきなり!ステーキ」を2018年までに11店舗展開していたが、業績不振のため7店舗を閉鎖し、残る4店舗はペッパーランチ事業に業態転換を進めていた。

新型コロナウイルスの影響でさらに売り上げが減少したことから自力再建を断念した。負債総額は約3000万ドル(約32億円)で、このうちペッパーフードサービスに対する債務は約30億円。 

一方、2020年1月から7月12日までに子会社や事業を海外企業に売却するなどした案件(適時開示情報)は東京製綱をはじめ16件に達する。 

同期間の海外関連のM&A案件は新型コロナウイルスの影響もあり、2019年の94件から2020年は70件に大幅に減少したが、子会社や事業の売却件数は2019年(17件)とほぼ変わらなかった。

売却理由に業績不振や競争激化をあげる企業が多く、キユーピー<2809>は7月2日に、鶏卵加工品・乾燥肉を製造・販売する米国子会社へニングセン・フーズ(ネブラスカ州)の全株式を、米国食品メーカーのポストホールディングス傘下のマイケル・フーズ・オブ・デラウェアに7月1日付で譲渡したと発表した。へニングセンは2020 年9月期第2四半期に5400万円の営業赤字に陥っていた。 

大和工業<5444>も6月19日に、韓国子会社のワイケー・スチールコーポレーション(釜山市)が営む棒鋼事業を、現地鉄鋼メーカーのDaehan Steel (大韓製鋼、釜山市)に売却すると発表した。棒鋼市場の縮小や競争激化に伴い、新たな戦略パートナーが必要と判断した。 

新型コロナウイルス感染症は日本で患者数が増加しており、海外でも終息の兆候は見られない。すでに飲食や観光などをはじめ多くの産業に影響が出ており、日本企業の海外事業についても、今後影響の深刻化は避けることが難しそうだ。

文:M&A Online編集部

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