「上期は厳しく見ているが、下期は回復する」
日本電産<6594>の永守重信会長は2019年4月24日、東京・大手町で決算説明会を開き、2020年3月期の業績見通しをこのように語った。 

下期については車載モーターの伸びが大きく、すでに受注が確定しているため間違いのない数字としたうえで「上期も売り上げは上がるかもしれないが、未確定のため経営数字には盛り込めない」とし、慎重な姿勢を示した。 

この言葉の通り、同社の2020年3月期は上期が3.5%の減収、23.6%の減益(営業利益)と減収減益見込みだが、通期では8.7%の増益、26.2%の増益(同)と急回復。2020年3月期の売上高は、2019年3月期に続き過去最高を更新し、1兆6500億円に達する見込みだ。

車載モーターで1兆円目指す  

日本電産は2021年3月期に売上高2兆円を達成する目標を掲げており、2020年3月期の業績が予想通りであれば、2021年3月期は2020年3月期比21.2%の増収が必要となる。 

2021年3月期の売上高構成については精密小型モーターで6000億円、家電・商業・産業用モーターで6000億円、その他の製品グループで2000億円を見込み、車載モーターには6000億円から1兆円と4000億円の幅をもたせた。 

車載モーター分野でM&A を実施し、自律成長による売上高6000億円に挑戦目標として4000億円を上乗せしたためだ。 

2019年4月16日のオムロンオートモーティブエレクトロニクスの子会社化の発表の席上、永守会長は車載モーターの売上高について「これで1兆円の可能性がでてきた」としたものの、オムロンオートモーティブエレクトロニクスの子会社化だけでは十分でないとの認識も合わせて示し、さらなるM&Aの可能性を示唆していた。 

1年間で20%を超える増収という高い目標に立ち向かう日本電産にとって、中国経済の動向や電気自動車の生産状況、為替変動などいくつもの不確定要素があるが、成否に大きくかかわるのはやはり次の一手(M&A)ということになりそうだ。

文:M&A online編集部