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【千趣会】ネット通販との競争で「生き残る」ための異業種M&A
千趣会は「ベルメゾン」など女性をターゲットにした通信販売を手がける国内大手。働く女性向けのこけし人形の頒布からスタートした同社だが、カタログ通販が成功して業界大手の上場企業となる。そんな千趣会もネット通販の台頭で厳しい経営を強いられている。
「無印良品」を展開する良品計画<7453>の業績に、黄色信号が灯りました。2019年2月期の売上高は、前期比7.9%増の4096億9700万円と堅調だったものの、営業利益は1.2%減の447億4300万円。前期実績を下回るのは2011年2月期以来です。原因は従業員を増強してサービスの拡充を図ったものの、主力の生活雑貨が苦戦したため。無印良品は価格勝負に陥る生活雑貨市場から抜け出し、食品部門強化へと軸足を移しています。
良品計画は2012年2月期から二桁増益を続けていました。直近5期と今期の計画はこのようになっています。
決算期 | 売上高 | 営業利益 | 経常利益 |
---|---|---|---|
2020年2月期(予想) | 4620億円(12.8%増) | 485億円(8.4%増) | 487億円(6.2%増) |
2019年2月期 | 4096億9700万円 (7.9%増) |
447億4300億円 (1.2%減) |
458億6100万円 (0.3%減) |
2018年2月期 | 3795億5100万円 (13.9%増) |
452億8600万円 (18.3%増) |
459億8500万円 (19.2%増) |
2017年2月期 | 3332億8100万円 (8.4%増) |
382億7800万円 (11.1%増) |
385億8200万円 (18%増) |
2016年2月期 | 3075億3200万円 (18.2%増) |
344億3900万円 (44.4%増) |
327億円 (22.9%増) |
2017年2月期 | 2602億5400万円 (18%増) |
238億4600万円 (14%増) |
266億200万円 (15.4%増) |
※決算短信をもとに筆者作成
本業での儲けを示す営業利益が、2019年2月期に急ブレーキがかかっているのがわかります。理由は2つあると考えられます。一つは店頭人員充足率安定のためのスタッフ増強による、人件費のアップ。もう一つは値下げを強行したことで、客単価が下がったことです。
同社は2019年2月期の取り組みとしてスタッフを強化し、店頭での販売力向上を図っていました。
2017年の店頭人員充足率は、90%台前半にとどまっています。しかしながら、2018年に入って100%を上回り、それを維持しています。2019年に入って若干落ち込んでいますが、これは学生アルバイトが卒業により抜けたもの。すぐに回復する見込みです。
インテリアアドバイザーなど、専門販売員も拡充を図っています。2018年上期末でインテリアアドバイザーは150人。2014年と比較して62人増加しています。相談件数が昨年比120%増加するなど、販売力の底上げを行っています。
千趣会は「ベルメゾン」など女性をターゲットにした通信販売を手がける国内大手。働く女性向けのこけし人形の頒布からスタートした同社だが、カタログ通販が成功して業界大手の上場企業となる。そんな千趣会もネット通販の台頭で厳しい経営を強いられている。