2019年4月11日、宇宙開発ベンチャーのアストロスケールホールディングス(HD)は3000万ドル(約33億円)の資金調達に成功したことを明らかにした。「シリーズD」ラウンドの追加調達という位置付けで、INCJ、東京大学協創プラットフォーム開発、三井住友トラスト・インベストメント、エースタートなどから出資を受けている。
累計で166億円を超える調達に成功
ちなみに「シリーズD」は、プロダクト(商品・サービス)がアイデア段階の「シード」、ベンチャーキャピタルなどが最初に出資する段階の「シリーズA」、プロダクトやビジネスモデルが確立しつつある段階の「シリーズB」、ビジネスモデルとしてはほとんど完成しており、継続的な改善で事業をブラッシュアップしていく段階の「シリーズC」に続く投資ラウンドになる。
「シリーズC」以降のベンチャーは上場も視野に入るため、「シリーズD」レベルにあるアストロスケールは投資家から注目されている。同社の「シリーズA」ラウンド以降の累積調達額は、約166億3100万円となった。
アストロスケールのプロダクトは、宇宙に漂う「スペースデブリ(宇宙ゴミ)」の除去。スペースデブリは耐用年数が過ぎて機能停止したり、事故や故障によって制御不能になったりした人工衛星のほか、打ち上げに使われたロケット本体やその部品、破片などの人工物を指す。1cm以上の大きさのものだけでも現在約75万個、合計4500トンを超えるスペースデブリが地球上空の軌道を周回しているという。
アストロスケールHDの資金調達 | |||
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資金調達日 | 投資ラウンド | 調達額* | 出資者 |
2015年2月16日 | シリーズA | 9.13 | Mistletoe / ジャフコ / 小澤隆生 / 山岸広太郎 / 村⽥マリ / 笠原健治 / 西川潔 / 諸藤周平 / 谷家衛 / 金田修 |
2016年3月1日 | シリーズB | 39.37 | INCJ / ジャフコ |
2017年7月16日 | シリーズC | 28.38 | ANAホールディングス / INCJ / エースタート / オーエスジー / ジャフコ / 三菱UFJキャピタル |
2018年10月31日 | シリーズD | 56.43 | INCJ / SBIインベストメント / SMBCベンチャーキャピタル / みずほキャピタル / エースタート / コーエーテクモキャピタル / ジャフコ / 三菱地所 |
2019年4月11日 | シリーズD | 33 | 三井住友トラスト・インベストメント / 平尾丈 / 東京大学協創プラットフォーム開発 |
(*当時の為替レートに基づく金額、単位=億円。個人名は敬称略)