日本電産<6594>は米国の家電メーカー・ワールプールから起こされた訴訟について、ニューヨーク南部地方裁判所が訴訟を却下する決定を下したと発表した。

ワールプールはどう動くのか

ワールプールは同社のコンプレッサー事業であるエンブラコを日本電産が買収する契約に関して、日本電産が買収に向けての努力を怠っているとして2019年3月8日に履行請求訴訟をニューヨーク南部地方裁判所に提起していた。

今回の判決を受け日本電産では「引き続きエンブラコ買収にかかわる競争規制当局の認可取得と買収完了に向け、今後も最善の努力を尽す」とのコメントを公表した。

ただ、買収を完了する予定の2019年4月24日までの残り日数は1カ月を切っており、各国当局の認可が期間内に完了するのか。また、この判決を受けワールプールはどう動くのか。不明な部分は多い。

次の節目は4月24日

日本電産はワールプールが起こした訴訟について2019年3月12日に訴訟内容を公表し「当社の正当性を主張し争っていく方針」とのコメントを発表していた。

今回の裁判所の判決は日本電産の主張を認めたもので、意図的に買収を遅らせる行動はなかったことがはっきりした。とはいうものの買収は競争規制当局の認可次第のため、4月24日までに買収の完了が確定したわけではない。

日本電産は2019年1月17日に発表した業績下方修正の会見で、同社の永守重信会長が「46年経営を行ってきたが、受注がこんなに落ち込んだのは初めて」とし、景気の先行きに強い警戒感を示していた。

エンブラコはブラジルで冷蔵庫用のコンプレッサーや電気部品の開発や製造を手がけ、直流コンプレッサーで高い技術を持つ。2017年12月期の売上高は13億700万ドル(約1450億円)で、日本電産による買収金額は10億8000万ドル(約1200億円)だった。

日本電産が2018年4月に発表したエンブラコの買収資料には「ワールプールと当社の間には、長年にわたる取引により築かれた信頼関係がある」としていた。

今回の判決で両社の信頼関係はどのように変化するのか。4月24日が次の節目になりそうだ。

文:M&A Online編集部