「車載モーターの引き合いは非常に強い。電動化の波によって2025年から遠いものでは2028年くらいまで受注が積み上がっている」。日本電産<6594>の永守重信会長は車載モーターの将来について、強気の見通しを明らかにした。

中国メーカーから引き合い旺盛

2019年1月23日に行った業績の下方修正の際に、永守会長は2018年11月以降の大幅な需要減と在庫調整を挙げ、景気の先行きについて「甘く見てはいけない」と警鐘を鳴らしていた。

現時点でも中国の状況については低迷を否定しないが「中国メーカーからの引き合いはものすごい勢いできている」としたうえで「中国は必ず伸びる。世界一のEVメーカーは中国から出てくる」とし、中国経済に強い期待感を示した。

3件目の1000億円超のM&A

日本電産は16日、オムロンの子会社で自動車向けモーターの制御機器などを手がけるオムロンオートモーティブエレクトロニクスの全株式を取得し、2019年10月をめどに子会社化すると発表した。

中国メーカーなどからの旺盛な引き合いに対応して、モーターと制御機器を組み合わせたモジュールの生産能力を高めるのが狙いだ。現状は生産能力が大幅に不足しているが、今回のM&Aで生産能力は一気に高まるという。

さらに日本電産では2020年度に車載モーター事業で6000億円の売り上げを目標にしているが、永守会長は「(今回のM&Aで)1兆円までいける可能性が出てきた」と言い切る。2020年度の売上高目標2兆円に対する今回のM&Aの影響は極めて大きい。

オムロンオートモーティブエレクトロニクスの取得価額は約1000億円。2017年に約1200億円を投じた米電機大手エマソン・エレクトリックのモーター・発電機事業や、2018年に発表し現在買収準備中の米家電大手ワールプールの冷蔵庫用コンプレッサー事業(約1170億円)に次ぐ金額となる。

文:M&A online編集部