「高速鉄道」というと新幹線ばかりが注目されるが、どっこい地方のローカル線にも高速鉄道が存在する。一般的なローカル線の最高時速は100km未満だが、北越急行ほくほく線のように160kmで営業運転できる路線もある。

在来線国内最速を実現した新潟県のローカル線

新潟県南魚沼市の六日町駅と新潟県上越市の犀潟(さいがた)駅間を結ぶ、北越急行ほくほく線。1997年に開業し、越後湯沢駅から同線を経由して金沢駅を結ぶJRの在来線特急「はくたか」が運行を始める。越後湯沢駅で上越新幹線に乗り継ぐことにより、金沢駅ー東京駅間を最短3時間40分台で移動できるようになった。

JR各社を含めて在来線の営業運転で最高時速160 kmを達成したのは、ほくほく線が初めて。同線を運営する北越急行の運輸収入は、「はくたか」のおかげで北陸新幹線開業直前の2014年度には約38億8000万円に達していた。ローカル線ながら「スピード」が大きな売り上げをもたらしていたのだ。

しかし、2015年3月に北陸新幹線が金沢駅へ延伸して東京までを最短2時間34分で結ぶのを機に、在来線特急の「はくたか」は廃止。2015年度の北越急行の運輸収入は約4億1000万円と、9分の1以下に激減して赤字転落した。

特急の廃止で同160kmの運行が可能にもかからわらず、現在の最速運転は超快速「スノーラビット」の同110kmにとどまっている。それでも駅での停車時間などを含む表定速度(運転時刻表制定速度)では、ほくほく線内で同99 kmと、JR西日本の新快速が通過運転をしている米原駅−姫路駅間の同83 kmより速い。

超快速スノーラビット(左)の時速110kmが、現在のほくほく線最速運転(Photo by 切干大根)

一方、今も高速特急が健在なのは1994年に開業した、兵庫県赤穂郡上郡町の上郡(かみごおり)駅と鳥取県八頭郡智頭町の智頭(ちず)駅を結ぶ智頭急行智頭線だ。こちらもほくほく線同様、JRの特急列車が高速運転を実施し、その収益で黒字を計上している。