キャンプ用品を手がけるスノーピーク<7816>がフィッシング事業に本格的に乗り出す。同社は1964年と1996年に2度フィッシング業界に参入したが、現在、同社のホームページにあるフィッシング用品はフィッシングベストなどごくわずか。キャンプとフィッシングを結びつける同社の戦略は成功するのか。3度目の挑戦に注目が集まる。

スノーピークは2019年4月に、フライ(毛針)やロッド(釣り竿)などのフィッシング用品を取り扱うティムコ<7501>の13.73%(総株主の議決権の数に対する割合)の株式を取得。今後、両社の店舗で相互に商品の販売を行うほか、両社のノウハウを生かした新たな製品開発や、フィッシングを楽しめるキャンプ場の開発などに取り組む。

株式はティムコ株20.71%(総株主の議決権の数に対する割合)を保有する筆頭株主から譲り受けるもので、この取引によってスノーピークがティムコの筆頭株主になる。

今後スノーピークは筆頭株主として両社にとってシナジー効果が得られるプロジェクトの提案などを行う見込みで、キャンプとフィッシングが融合した新しいアウトドアの楽しみ方が誕生しそうだ。

スノーピークがティムコの筆頭株主

スノーピークは1958年に創業者の山井幸雄氏が金物問屋を立ち上げたのが始まり。1963年にスノーピークの名称を商標登録。1986年にはオートキャンプを提唱し、それまでになかった製品を次々に生み出していった。近年はキャンプと親和性の高いアウトドア活動の開拓が課題となっていた。

ティムコのフライロッド(同社ホームページより)

ティムコは1969年に国内で馴染みのなかったフライフィッシングやルアーフィッシング用品の輸出入や製造販売を目的として設立。この分野のパイオニアとして活動してきた。1982年にはアウトドア衣料事業に参入、事業領域を拡大した。近年は同社製品ユーザー層の拡大が課題になっていた。

こうした両社がもつキャンプとフィッシングで培ってきた製品開発力、販売力、ブランド力を生かすことで互いの課題を解決できると判断、資本業務提携に踏み切った。

スノーピークの沿革
1958 初代社長の山井幸雄氏が金物問屋として山井幸雄商店を創業
1959 オリジナル登山用品を開発、全国販売を開始
1963 「スノーピーク」を商標登録
1964 釣具ブランド「カープ」を商標登録し、フィッシング業界に参入
1986 スノーピークをオートキャンピングブランドとしてリニューアル
1996 スノーピークに社名変更、新規事業としてフライフィッシング事業に参入
2001 欧州に輸出開始し、韓国をはじめアジア市場に本格参入
2001 オセアニア地区に輸出開始
2013 韓国、台湾に出店
2014 東京証券取引所マザーズ市場に上場
2015 東京証券取引所一部市場に指定、米国に出店
2018 システム開発のハーティスシステムアンドコンサルティングを子会社化
2019 ティムコと資本業務提携
ティムコの沿革
1969 フィッシング用品の輸出入や製造販売を目的としてティムコを設立
1971 米国「Fenwick(フェンウィック)」ブランドのフィッシングロッドの日本総発売元になる
1973 米国「ORVIS(オービス)」ブランドのフライフィッシングロッド、リールなどの総発売元になる
1974 米国のハックルサプライヤー「METZ(メッツ)」ブランドの国内販売を開始
1976 日本初のフライフィッシングスクール「ティムコフライフィッシングスクール」を開講
1980 米国のフライラインメーカー「Scientific Anglers(サイエンティフィック・アングラーズ)」の日本総発売元になる
1982 アウトドア衣料「フォックスファイヤー」を発売
1989 米国の毛鉤メーカー「UMPQUA(アンプカ)」製品の国内販売を開始
1993 スウェーデンのフライタックルブランド「LOOP(ループ)」製品の国内販売を開始
1994 自社開発のフライフィッシングロッド「ユーフレックス」を発売
1996 現東京証券取引所JASDAQ市場に上場
2019 スノーピークと資本業務提携