M&Aにおけるロングリスト(Long list)とは、買収の対象となる売り手企業のリストや、売却の対象となる買い手企業のリストを指す。買収や売却を検討している企業のM&A方針に沿って、比較的緩やかな基準で多めにリストアップする。

買収したい経営資源を持っているか。十分な資金を持っているかといった面からも検討を進め、一般的には産業分類による企業リストなどから数十社に絞り込む。

ちなみに、このロングリストをもとに、買収や売却の可能性を探っていき、10社前後にまで絞り込んだものをショートリスト(Short list)といい、この中の企業と買収や売却の交渉を行うことになる。

日本電産は価格、PMI、シナジーの3つを重視

条件に合った企業を選別する作業は大変重要で、M&Aの成否に大きくかかわってくる。例えば買収の場合だと、どのような分野の、どのような企業を、何のために買収するのかを明確化しておかないと、後々迷走することになる。

これまでに50件近いM&A を実施している日本電産<6594>の永守重信会長兼社長はM&Aを行うにあたって、価格、PMI(Post Merger Integrationの略。M&A成立後の統合プロセスを指す) 、シナジーの3つの条件を定めている。

価格については独自の企業価値算定方式に従い判断する。基本方針は企業価値の低い会社、つまり買収価格が安い会社を買う。価値が低く、買収価格が安い会社は業績が悪化している場合が多いが、日本電産ではこうした会社を買収し価値を上げてきた実績がある。

PMIは買収後の企業の経営を誰が行うのか、どのように経営するのかをはっきりさせたうえでM&A を行うということ。シナジーは顔のパズルをイメージすると分かりやすい。買った会社が目に当たるなら、次は鼻、その次は耳といった具合に順番をつけ、顔のパズルを完成させる(強い会社を作る)ために必要な会社を買う、などの方針がある。