経営者が会社を手放すというのは、例外なく淋しいものである。会社の行く末や社員を心配する気持ちも手伝って、一度は売ると決めても、「やはり売らないほうがよいのではないか」と迷いが生じるのが普通である。
しかし当事者である売主の経営者がいつまでも迷っていてはまとまる交渉もまとまらない。こうした堂々巡りになってしまった場合、どうしたらよいだろうか。
大事なことは、「そもそもなぜ会社を手放すことを考えたのか」という原点にいちど戻って、「会社を手放して自分は今後どう生きていきたいのか」を考えることだ。
M&Aは結婚に似ている...