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【ビックカメラ】再編が続く家電量販店業界で「M&A巧者」への転換なるか?

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【M&A戦略】同業を中心にM&Aを推進

 ビックカメラのM&A戦略を見ると、下表のように、同業ないし周辺業種のM&Aを推進してきたことがわかる。直近では旅行会社への投資をしているものの、金額は微々たるものである。

 着目すべきは、エディオンとベスト電器との資本業務提携が両方とも解消となっていることである。ベスト電器はヤマダ電機の傘下に入ることになったため、業界首位の座はさらに遠のいた。

 個別のM&Aに目を向けると、2010年にソフマップを完全子会社にしているが、ソフマップは2016年8月期で2億円の営業赤字である。ところが、同社の売上高が589億円あることを考えると、ソフマップの完全子会社化はビックカメラの収益率の悪化を招いていると言え、このM&A自体が失敗だったと言わざるを得ない。救済色の強かったM&Aだが、当時から新品の電化製品の低価格化が続いており、中古製品市場の先行きも厳しいといわざるを得ない。

 また、2012年に子会社化したコジマも厳しい状況が続いている。M&A前の損益状況と、直近のものを比較した下表をご覧いただきたい。M&A前に3%あったコジマの営業利益率が、直近では1%にまで低下している。ビックカメラの営業利益率が3%強を維持できているのに対して、コジマは利益率が悪化しているという厳しい状況だ。

ビックカメラとコジマの損益状況

 詳細を見ると、販管費率が悪影響を与えていることがわかる。同業首位のヤマダ電機の販管費率と比較しても、高い水準である。一方で、売上総利益率は27%と、ビックカメラと同水準で、仕入れの一本化が成功していると思われる。上記をもってコジマのM&Aは失敗だったと断ずることはできないが、これからの取り組み次第では失敗だったと言われかねない状況で、販管費率の低減は急務と言える。

 なお、2014年12月にドコモショップ12店舗をM&Aにより買収しているが、現在、大手キャリアショップの多くが苦戦していることを考えると、このM&Aの成否もこれからの取り組み次第と言える。

M&A Online編集部

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