欲しかったのはノイズキャンセリング機能

唯一、アップルが欲しかったのは「AirPods Pro」で実装された、外部の騒音を取り除くノイズキャンセリング機能だろう。ビーツは2014年に初のワイヤレスイヤフォン製品となる「PowerBeats2 Wireless」にアクティブノイズキャンセリング機能を搭載。この技術が「AirPods Pro」に利用されたとみられる。

それと言うのも、ビーツのノイズキャンセリング機能は2014年7月にボーズから「22件の米国特許と14件の出願中特許によって保護される発明が採用されている」として特許侵害の訴訟を起こされているのだ。

ところが3カ月後の同10月にはスピード和解が成立。両社は和解内容については一切明らかにしなかった。当然ながらビーツの買収を発表していたアップルが動いたのは間違いない。アップルがすぐさま「火消し」に走らなければならないほど、ノイズキャンセリング機能は重要な技術だったといえる。

こうなると「AirPods Pro」のノイズキャンセリング機能を開発したのがビーツなのかボーズなのかはっきりしないが、いずれにせよ同機能が売り上げを伸ばしたのは間違いない事実。「AirPods Pro」の大ヒットで、ビーツ買収の成果が出たといえそうだ。

ノイズキャンセリング機能の搭載で「AirPods Pro」は大ヒットに(同社ホームページより)

文:M&A Online編集部