コクヨ<7984>による、ぺんてる(東京都中央区)の子会社化を巡り両社の対立が際立ってきた。コクヨが子会社化の方針を発表したことに対し、ぺんてるは「一切の相談や協議なく行われた」としたうえで、「憤りを覚える」と強い言葉でコクヨを非難した。 

コクヨはぺんてるが「第三者との間で大規模な資本業務提携を画策している」とし、このままではコクヨ、ぺんてるの業務提携が不可能となることから、子会社化に踏み切ったと説明。 

これに対しぺんてるは「コクヨとの合意に反して他社との協業の検討をしているような記載があるが、コクヨとの間で、投資契約や業務提携契約など他社との協業などの行為を制限する契約は一切締結されていない」とし、コクヨによる子会社化の理由を真っ向から否定した。 

さらに業務提携に向けた協議にぺんてるが非協力的であったとのコクヨの見解に対し、ぺんてるは「両社の工場の視察を行うなど協業を検討していた」としたうえで、「コクヨの期待するスピード感で検討が進まなかったことをもって、非協力的と断じられることは大変遺憾」と切り返した。 

ぺんてる株を1株3500で買い付け    

コクヨはぺんてるの株式を1株3500円で買い付ける。議決権比率が50%を超えるように取得株式数は109万7752株以上を予定しており、買付代金は38億4200万円以上に達する。株式の取得実行日は11月15日から12月15日までの1日または複数日を予定している。 

コクヨは2019年9月に投資会社からぺんてるの株式の37.8%を取得し、ぺんてるに業務提携契約の締結を求めていた。この間、ぺんてるはコクヨに対し、独立性が保たれるよう今以上の株式取得を望まないことを繰り返し伝えていたという。 

コクヨは文具やオフィス家具などの事務用品大手で、2019年12月期の売上高は前年度比2.2%増の3220億円の見込み。国内向けが中心のため、海外市場の開拓が課題となっていた。 

一方ぺんてるは文具、画材、電子機器などの製造販売を手がけており、2019年3月期の売上高は同1.3%減の403億7800円だった。 

コクヨによると、ぺんてるは世界22の販売拠点を通じて120以上の国と地域で事業を展開しているものの、国内市場の成熟による収益性の停滞や海外市場への投資リターンの鈍化などのリスクが存在するという。このため両社が協業することで業績を向上させることができるとしていた。

コクヨ以外のぺんてるの株主は、ぺんてる従業員持株会(保有割合10.41%)や、ぺんてる役員持株会(同3.13%)などで、このほかの株主については開示されていない模様。見えない株主に、泥沼化するコクヨとぺんてるの関係はどのように映るのだろうか。

文:M&A Online編集部