サザンオールスターズや星野源、ホラン千秋らのミュージシャンやタレントが所属するアミューズ<4301>が3年8カ月ぶりにM&Aに踏み切った。 

同社は営業収入上位3アーティストによる収入が総営業収入の40%‐50%に達していることから、海外事業の拡充や他社とのコラボレーションによる新商品の開発、スポーツなどの新しい分野への進出などを経営方針として掲げている。 

今回の2件のM&Aはいずれもこの方針に沿っており、同社の成長や経営の安定化に寄与するはずだ。 

海外、新商品、新分野で新たな動きも 

アミューズは2019年11月13日に2件同時にM&Aを発表した。1件は日本と米国で主にスポーツ選手のエージェント事業を展開する米国のオータス ボー ホールディングスの株式51%を取得し子会社化する案件。

アミューズの事業は国内中心のため、今後の成長のためには海外での展開が重要と判断。アーティストの海外活動、海外アーティストの育成、海外作品への出資や映画、番組の共同製作などに取り組んできた経緯がある。 

今回のオータス ボー ホールディングスの子会社化を機に、アミューズはスポーツエージェント業に本格参入し、アジアや北米、中南米で事業を展開する。2019年12月5日に株式を取得し、2020年3月末までに社名をアミューズ スポーツ ホールディングスに変更する。 

もう一つはコンサートや舞台の映像を映画館などに配信するライブ・ビューイング・ジャパン(東京都渋谷区)を子会社化する案件。 

ライブ・ビューイング・ジャパンは2011年に設立した合弁会社で、アミューズはこれまで株式の37.04%を保有してきた。これを50.1%に引き上げて子会社化するもので、アミューズが手がけるコンテンツ作りで一段の相乗効果を目指すという。 

アミューズは子会社化する両社の財務内容を公表していないが、両社が2020年3月期決算に与える影響は軽微としている。その2020年3月期は当初予想よりも改善しており、売上高は502億6000万円から535億円に、営業利益は36億1000万円から43億4000万円に上方修正した。 

要因はコンサートや舞台、公演、関連グッズの販売などが好調だったためで、課題である国内売上高構成比の引き下げや、営業収入上位アーティストの売上高構成比の引き下げはいずれも実現できていない。同社が目指す海外、新商品、新分野の開拓に向け、今後もこれら分野でのM&Aの可能性は高そうだ。

文:M&A Online編集部