広告掲載量の多い企業に個人が集まるというこれまでのゲームルールを覆し、従業員エンゲージメント(企業と従業員の信頼関係)の高い企業に個人が集まるという、新たなゲームルールを労働市場に創り出す―。 

こう宣言するのは組織や人事のコンサルタント事業などを手がけるリンクアンドモチベーション<2170>。同社は就職や転職者向けに、企業の組織体制や企業文化、働きがい、退職検討理由などに関する社員や元社員の口コミ情報を掲載するOpenWorkを運営するオープンワーク(東京都渋谷区)を2020年1月に子会社化する。 

両社はOpenWorkを利用し、組織状態の良い企業と就職、転職を考えている個人をマッチングする「OpenWorkリクルーティング」を連携して展開してきた。子会社化を機に連携を強化し「組織状態の良い企業=選ばれる企業」「組織状態の良くない企業=選ばれない企業」を実現することで、労働市場に新たなゲームルールを創り出すという。 従業員エンゲージメントとはどのようなものなのか。 

口コミ情報で企業の組織状態を把握 

OpenWorkを開くと「完全なるトップダウン。末端から何か発言をして通ることは基本的にない」「女性には全体的に優しい会社である事は間違いない」などの口コミ情報が企業ごとに多数紹介されている。 

こうした口コミ数が増えることで企業の組織状態がより正確に把握できるようになり、働きやすさややりがい、上司との関係などに関する企業と従業員の相互理解や相思相愛度合い(従業員エンゲージメント)が見えてくるようになる。 

両社は2018年9月に資本業務提携し、口コミで評価の高い企業と就職、転職希望者をマッチングするOpenWorkリクルーティングを展開してきた。今回、出資比率を20%から56.22%に高めることで、これまで以上に一体的な運用を目指す。 

現在、OpenWorkの口コミなどの件数は約850万件、登録ユーザー数は約320万人に達する。リンクアンドモチベーションはこれら資産を活用して従業員エンゲージメントの向上を目的としたコンサルティング事業などを展開する。 

リンクアンドモチベーションは2000年4月創業で、組織開発ディビジョン(コンサル・アウトソース事業、イベント・メディア事業)、個人開発ディビジョン(キャリアスクール事業、学習塾事業)、マッチングディビジョン(ALT配置事業、人材紹介・派遣事業)、ベンチャー・インキュベーションの4つの部門を持つ。 

ここ3年は順調に業績を伸ばしてきたが、2019年12月期は売上高が前年度比3.6%減の385億円、営業利益が同50.9%減の18億8000万円と減収減益の見込みだ。オープンワークのこの3年間の業績は好調で、直近の2018年12月期は売上高が同34.1%増の10億3900万円、営業利益が同20.1%増の4億9600万円だった。

【リンクアンドモチベーションの業績推移】

  2016年12月期 2017年12月期 2018年12月期
売上高(億円)333.21 368.94 399.41
営業利益(億円)24.68 33.65 38.25

【オープンワークの業績推移】

  2016年12月期 2017年12月期 2018年12月期
売上高(億円)4.74 7.75 10.39
営業利益(億円)1.95 4.13 4.96

文:M&A Online編集部