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ソフトバンク上場、周到に準備された「ローン付け替えスキーム」

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ローンの付け替え、その思惑とは

では、なぜこんなことをするのだろうか? この取引は連結会社間取引として消去されるにも関わらず、連結グループ内でこんな大胆な取引を行なっているのはなぜなのだろうか??この疑問を解決してくれるIRニュースが、2018年8月23日に公表されていた。

https://group.softbank/corp/ne...

このニュースを要約すると、「SBはSBGから1.6兆円借りていたが、今回SBが銀行から1.6兆円借りることができたため、それを丸々SBGに返済し、SBGはそのカネを全額自社の有利子負債返済に充てた」ということだ。この一連の取引を図示すると、以下のようになる。(なお、実線が債権債務、破線がキャッシュの動きを示している)

プレスリリースをみると、「上場に向けて独立性を確保するために、親子会社間の債権債務を解消したのか」と思ってしまいそうだが、恐らくSBGの狙いは親子会社間の債権債務解消ではない。図の一番右を見てもらえれば分かるが、1.6兆円分の銀行からの借入債務が、SBGからSBへとシフトしている。SBGは恐らく、親子会社間の債権債務を解消することが目的なのではなく、この形を実現したかったのであろう。

ここで考えてみてほしい。SBGが銀行からの借入債務を子会社であるSBに負担させたいと考えた場合、どうすればよいだろうか?答えは簡単で、SBが銀行から資金調達を行い、そのカネをSBGに貸付もしくは配当として流し、SBGが銀行に返済をすればよい。

このとき、SBGがSBに対して債権を持っていなかった場合、SBからの借入として資金が還流すると、SBGのバランスシート上はSBに対する多額の負債が残ってしまう。借入ではなく配当によって還流したとしても、SBの自己資本比率が急激に悪化してしまうので、SB上場を控えているタイミングでこのような取引はできない、つまりSBGの借入債務をSBに付け替えることはかなり難しくなる。

では、SBGがSBに対して債権を有していたらどうだろう? SBからの借入金として資金が還流してきたら、そのままSBに対する貸付金と相殺されることになるので、SBに対する負債が計上されないままローンの付け替えができるようになり、さらに親子会社間の債権債務の解消という独立性確保のアピールまでできるようになるのだ。

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