世界第3位の業務用チョコレートメーカーを手に入れた日本企業は、世界中のチョコレートメーカーを買っていた。 

その企業の名は大阪に本社を置く不二製油グループ本社<2607>。今回の世界第3位の業務用チョコレートメーカーの買収で、同社はチョコレート業界で一躍メジャーな存在になった。チョコレートに関心を示す不二製油とはどういう会社なのか。 

チョコレートで世界トップを目指す 

不二製油はチョコレートの生産に使用する油脂のメーカー。買収先企業とはチョコレートの機能を向上させるための油脂技術の提供などを通じて、関係を強めていくことになる。 

同社が世界第3位の業務用チョコレートメーカーである米国のBlommer Chocolate Companyの買収契約を結んだのは2018年11月19日。Blommer社を存続会社として不二製油が新設する子会社との合併を行ったうえで、合併後のBlommer社の株式の100%を取得し、2019年1月に完全子会社化する計画だ。 

Blommer 社の売上高は1015億円。これを860億円で買収する。買収によって世界10カ国16カ所にチョコレート工場が新たにグループに加わることになる。 

このM&Aに先立つこと3年半前。2015年にブラジル最大手の業務用チョコレートメーカーのHarald社の株式の83.3%を取得し、子会社化した。当時のHarald社の売上高は172億円。これを240億円で買収した。

その後2016年にはマレーシアのチョコレートメーカーGCB SPECIALTY CHOCOLATES株式の70%を取得し、子会社化した。買収金額は明らかにしていない。 

さらに2018年7月にはオーストラリアの業務用チョコレートメーカーINDUSTRIAL  FOOD SERVICESの全株式を取得し、完全子会社化した。同社についても買収金額は明らかにしていない。 

不二製油は「チョコレート用油脂事業とチョコレート用油脂を使用したコンパウンドチョコレート事業で世界トップを目指す」としており、これら一連のM&Aで世界一の座が徐々に近づいてきたようだ。 

これからクリスマスやバレンタインデーとチョコレートの商戦が続く。同社が世界第3位の地位を手に入れたことで、チョコレート商戦に変化はあるのだろうか。日本の油脂技術で、世界のチョコレートの味が変わるかもしれない。

沿革と主なM&A
1950 不二製油株式会社設立
1961 大阪証券取引所第2部市場に上場
1978 東京証券取引所第1部に上場
1997 協立食品(現フジサニーフーズ)の経営を継承
2000 不二バター(現フジサニーフーズ)の経営を継承
2001 ベルギーでの合弁会社を100%子会社化し、フジオイルヨーロッパに改称
2001 協立食品とプラスフーズを統合し、ケイ・ピー食品(現フジサニーフーズ) 設立
2005 今川(現フジサニーフーズ九州)の経営を継承
2007 J-オイルミルズとの業務提携と株式相互保有を発表
2012 オーム乳業の株式を100%取得
2013 フジオイル ヨーロッパがインターナショナル オイルズ アンド ファッツ(ガーナ)の株式50%を取得
2015 ブラジルの業務用チョコレートメーカーHarald社を子会社化
2016 マレーシアのGCB SPECIALTY CHOCOLATESを子会社化
2018 オーストラリアの業務用チョコレートメーカーIndustrial Food Servicesを完全子会社化
2018 米国の業務量チョコレートメーカーBlommer Chocolate Companyを完全子会社化


文:M&A Online編集部