ベルギーの高級チョコレート・ゴディバの日本事業の売却話が浮上してきた。親会社であるトルコの大手食品会社がトルコ通貨リラの急落に伴い、現金が必要になったのが売却話の発端という。売却額は1000億円ほどとの見通しと伝えられており、三菱商事など複数の企業が名乗りを上げている。

ゴディバは高級チョコレートとして高いブランド力があり、国内には百貨店や路面店など250店以上の店舗がある。業績は好調で売上高は400億円ほどに達する。どこが買収するのか。買収後、事業を成長させることができるのか。1000億円は高い買い物となるのか。探ってみると…。

永守式では高い買い物に

これまでに60社のM&Aを実施し、いずれも買収が成功裏に推移している日本電産の永守重信会長は「価格」「PMI(Post Merger Integrationの略)」「シナジー」の3つをM&Aを実施する際の検討条件にしている。

価格はいうまでもなく高い企業は買わないという意味。同社には永守式企業価値算定方式があり、これに合わない企業は買収しない。永守氏は以前「安いという事は倒産寸前ということ。倒産した会社は買わないが、倒産する寸前の会社は買う。多くの時間かけ、その会社の価値を上げてきた」と語っていた。

PMIはM&A成立後の統合プロセスを指す言葉で、買収後の企業運営などを指す。中でも永守氏は「意識改革が重要」としており、経営方針や企業風土などを買収企業にしっかりと伝える必要があるとする。

さらに日本電産では買収によって顔の形のパズルを作っており、買った企業が目に当たるなら、次は鼻や耳に当たる企業を買収する。これによってコストダウンや業容の拡大を進め、シナジー効果を実現している。

この3つの条件をゴディバに当てはめるとどうだろうか。

まずは価格。適正な価格は買収対象企業の財務状況や子会社との関係などを詳しく調査するデュデリジェンスによってでてくる。ただ少なくともゴディバは永守氏の条件にある倒産寸前ではないため永守式の判断では、1000億円は高いという結論になりそうだ。

ではPMIはどうか。