米アップルが2018年9月21日(廉価版は同10月26日)に発売した新型「iPhone」の販売が伸び悩んでいるという。

新型iPhoneの生産台数を3分の1に削減

2018年11月20日にはクリスマスやボーナス商戦に向けて増産体制に入るはずの新型iPhoneの生産量が削減されたとの報道があり、廉価版の「iPhone XR」に至っては2018年9月から2019年2月にかけての発注台数が約3分の1に削減されたとの情報が駆け巡っている。

それを裏付けるかのように、iPhoneの委託生産を手がける鴻海精密工業(フォックスコン)は、3300億円ものコストカットや30万人ものリストラを断行すると伝えられた。液晶を供給するジャパンディスプレイ(JDI)も、2018年11月12日の決算発表で通期の売上高営業利益率目標を2~3%から1~2%に引き下げている。

新型iPhoneの販売低迷報道を受けて、2018年10月末時点で230ドルを上回っていたアップル株は、3週間で180ドルを下回った。これにつられるようにアマゾンやフェイスブック、ネットフリックスなどの株価も大幅に下落し、米株式市場は「アップル・ショック」の様相を呈している。

なぜ新型iPhoneの販売は伸び悩んでいるのか?主な理由は3つある。

(1)価格が高い

前モデルの「X」で12万1824円(最安モデルの税込価格、以下同)と、前々モデルの「7」の7万8624円を大きく上回り、10万円を超える価格帯に突入した。新モデルの「XS」も「X」と同価格に設定され、10万円超の高価格路線を踏襲している。

10万円超えを踏襲した「XS」シリーズ(同社ホームページより)

一方、前モデルの低価格版「8」が8万5104円だったのに対し、「XR」は9万1584円と7.6%値上がりした。前モデルでも高価格版の「X」よりも、低価格版の「8」の方が人気があった。その「8」ですら値上がりの影響で「7」ほどのシェアを取れなかったという。

アップルも価格の問題は意識しているようだ。同社が日本のキャリア(携帯電話事業者)を対象に販売補助金を支払い、「XR」の値下げに踏み切るとの報道も出ている。

アップルはこれまで旧モデルを値下げすることはあったが、発売直後の新モデルを値引きするのは円高などの為替要因を除けば初めて。一方で販売不振を受けての値下げはアップル製品のブランドイメージを下げるとの懸念もある。

果たしてアップルはiPhoneの値下げに踏み切るのか?そして、値下げをしたとしても販売のテコ入れ効果はあるのだろうか?