ラザード・アセット・マネージメントが日本株運用に消極的な姿勢を見せている。 大量保有報告書の提出状況から分かった。

保有割合が10%以上の企業がゼロに

2017年11月から2018年10月までの1年間に、提出した大量保有報告書は18社で、このうち保有割合を増やした企業と新規に保有した企業数がそれぞれ1社に留まり、保有割合を減らしたのが16社に達した。保有割合を減らした企業は全体の88.9%を占めた。 

前年同期(2016年11月-2017年10月)と比らべても投資意欲が弱まっていることが分かる。この期間に提出した大量保有報告書は12社で、このうち保有割合を増やした企業と新規に保有した企業はそれぞれ2社だった。保有割合を減らしたのは8社、全体の66.7%で、2018年より20ポイント以上低かった。

保有割合を見ても同様の傾向が見て取れる。2017年(2016年11月-2017年10月)に保有割合が10%を超えた企業は3社あったが、2018年(2017年11月-2018年10月)はゼロになった。

2017年に保有割合が14.43%に達していたプロスペクトは2018年には5.22%に、ドンキホーテホールディングスは12.08%が9.97%に、10.62%だったジャフコは9.56%に低下した。

日本市場に関心を失いかけているように見えるラザード・アセット・マネージメントとは、どのような会社なのか。

同社の起源は1848年にまでさかのぼる。ラザード兄弟が故郷のフランス・ロレーヌを離れ、米国のルイジアナ州ニューオリンズで雑貨・衣類などを取り扱うラザード・フレール&Coを設立したのが始まり。ラザード兄弟は1851年にゴールドラッシュにわくサンフランシスコに移動。その後、ニューヨークでもオフィスを開設し、銀行業、外国為替取引に進出した。

日本には1987年にラザード・ジャパン・アセット・マネージメントを設立し、営業を始めた。

現在、本社は米国のニューヨークに置き、世界16カ国、21都市で事業を展開している。運用関連の人員は340人以上で、幅広い運用戦略の基に2018年9月末時点で 2161億ドル(23兆7700億円)を運用している。

グローバル・ファンダメンタルズ・リサーチが同社の運用方針。経済の基礎的条件の分析を入念に行うことで投資選別を行うとともに、環境(Environment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)を重視したESGへの取り組みを重視している。

同時にリスク管理にも力を入れており、独立したグローバル・リスク管理部門が、客観的なモニタリングを実施しているという。

2017年に提出した大量保有報告書の保有企業名、保有割合、業種

企業名保有割合業種
プロスペクト 14.43 不動産
ドンキホーテホールディングス 12.08 小売業
ジャフコ 10.62 ベンチャーキャピタル
ユナイテッドアローズ 9.74 小売業
マキタ 7.29 機械
サイバーエージェント 5 サービス
イオンフィナンシャルサービス 4.87 その他金融
アシックス 4.13 その他製品


2018年に提出した大量保有報告書の保有企業名、保有割合、業種

企業名保有割合業種
ドンキホーテホールディングス 9.97 小売業
ジャフコ 9.56 ベンチャーキャピタル
マキタ 7.05 機械
大和ハウス工業 5.76 建設
プロスペクト 5.22 不動産
デジタルガレージ 4.16 情報・通信
ユナイテッドアローズ 3.21 小売業
サイバーエージェント 2.92 サービス

文:M&A Online編集部