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ソフトバンクだけではない!自動車業界も手を焼いたドイツ企業とのM&A交渉

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世界のトヨタも「煮え湯」

  三菱自動車工業<7211>は2000年にリコール隠しの発覚に伴う経営危機で独ダイムラー・クライスラー(現・ダイムラー)と資本提携したが、2004年に三菱自動車で再び大規模なリコール隠しが発覚すると提携を解消。一方で三菱自動車の稼ぎ頭だった商用車部門の三菱ふそうトラック・バスは、ちゃっかり持ち去った。ダイムラーから見捨てられた三菱自動車は安定収益をあげていた商用車部門を失い、その後も経営の混乱が続く。

  世界最大の自動車メーカーとなったトヨタ自動車<7203>も、1992年から始めたVW車販売網「DUO事業」を2010年に終了している。DUOはVWが日本市場での販売をほぼ独占していた輸入車販売のヤナセ外しのため、トヨタに持ち掛けた。VWは自前の直営販売網が拡充したところで、今度はトヨタを切り捨てた。全国で134店舗あったDUOは、そっくりVWの直営店に組み込まれている。トヨタ社内では「もうドイツ車メーカーとの提携はこりごり」との声が上がったという。

似て非なるドイツ企業

 「ドイツ人と日本人の国民性は似ている」といわれるが、ドイツ企業を知る日本人は「少なくとも企業経営については全く違う」という。ドイツ企業の経営判断は非常に論理的であり、利害が一致する時はよきパートナーになる。だが、利害が相反するケースでは、彼らが納得するだけの論理的な根拠を示さない限り決して妥協しない。それは「血も涙もない」からではなく、「自社の利益を最大限に守るのが企業の使命」という極めて論理的な正論に基づくもの。だからドイツ企業は自社にとって不利になる妥協や忖度は一切しないのだという。ドイツ企業とのM&Aや提携を考える場合には、十分に留意しておきたい。

(文:M&A Online編集部)

M&A Online編集部

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