RIZAP、3年ぶりの営業黒字はなるか?

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RIZAP事業では「英会話トレーニング」も手がける

経営再建中のRIZAP(ライザップ)グループがコロナ危機の中、踏ん張りを見せている。2020年4~12月期の営業損益は27億円の黒字となり、通期(2021年3月期)で3年ぶりの営業黒字を視野に入れる。ただ、足元は首都圏など10都府県で2度目の緊急事態宣言が発令中で、期末に向けてぎりぎりの攻防が続きそうだ。 

4~12月期、売上2ケタ減ながら営業黒字確保

RIZAPが先に発表した2020年4~12月期決算(国際会計基準)は売上高が1300億円と前年同期比約14%減だが、本業の儲けを示す営業損益は4~9月の中間段階の約5億円の赤字から27億円の黒字に戻した。

広告宣伝・販促費の抑制や人員配置や拠点の効率化、家賃減額などによる経費圧縮が損益改善の要因だ。 ただ、最終損益はコロナ関連の特別損失から赤字を免れない見通し。 

◎RIZAPグループの業績推移(単位億円、△は損失) 21/3期は20年4~12月累計

  19/3期 20/3期 21/3期(3四半期累計)
売上高 2109 2029 1300
営業利益 △84 △7.5 27
最終利益 △194 △60 △2

今年も試練の最終コーナー

その1年前の2019年4~12月期がどうだったのかというと、営業損益は44億円の黒字と計画を上回るペースで推移し、黒字復帰を確実にしていた。

ところが、第4コーナーの20年1~3月期を直撃したのが新型コロナウイルス感染。結局、通期(20年3月期)で7億5200万円の営業赤字に陥り、「1年で赤字脱却」を掲げた公約を果たすことができなかった。 

RIZAPがM&Aを凍結し、構造改革開始を宣言したのは2018年秋。積極的な企業買収を成長の原動力としてきたが、傘下に収めた子会社群の業績不振が重なり、経営の屋台骨を揺るがせたのだ。19年3月期は営業赤字84億円、最終赤字194億円という大赤字に転落した。

 本来であれば、21年3月期は構造改革の総仕上げとなるはずだったが、「コロナ危機対応」に集中してきた。グループ各社の本社機能の共通化、調達・購買機能の統合などでコスト削減を進め、販管費は昨年12月までの9カ月で前年比約100億円を削減した。

また、巣ごもりや在宅勤務の普及を踏まえ、フィットネス事業などで非対面型サービスの開発に力を注いできた。

構造改革宣言後、子会社・事業の売却は8件

70社(うち上場子会社は8社)に及ぶグループ企業の再編では、エス・ワイ・エス(東京都台東区)と北斗印刷(福島県会津若松市)の印刷子会社2社を昨年12月に売却した。これにより、構造改革宣言後の子会社・事業の売却は8件となった。

事業映像・音楽ソフト販売の「新星堂」などを展開するワンダーコーポレーション、インテリア・生活雑貨製造のHAPiNS、衣料品販売のジーンズメイトの上場子会社3社は2021年4月に経営統合する運びとなった。

2021年3月期業績の通期見通しは年明け後の緊急事態宣言の再発令で今後、消費者の購買意欲は再び低下することが予想されるため、引き続き「未定」としている。3月期末まで残すところ1カ月余り、下振れリスクをどう最小化できるのか。

◎構造改革宣言後の子会社・事業の売却など

発表 内容
2020年12月 ワンダーコーポレーション、HAPiNS、ジーンズメイトの上場子会社3社が2021年4月に経営統合を発表
エス・ワイ・エス、北斗印刷の印刷子会社2社をシスコ(東京都台東区)に売却
3月 サンケイリビング新聞社の幼稚園・保育園父母向け情報誌「あんふぁん」「ぎゅって」事業を小学館集英社プロダクションに売却
婦人服・服飾雑貨の三鈴をITbookホールディングスに売却
2019年11月 ぱど(上場子会社)をM&A仲介会社経営の畑野幸治氏に譲渡
3月 戸建住宅・リフォーム事業のタツミプランニングを高松コンストラクショングループに売却
1月 ヘアケア・ボディケア用品販売のジャパンゲートウェイを萬楽庵(名古屋市)に売却
2018年11月 SDエンターテイメント(上場子会社)のゲーム・ボウリング・映画館事業を北海道SOキャピタル(札幌市)に売却

文:M&A Online編集部

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