ホリエモン、買収資金を負担してまでメルマガ会社を売却の「謎」

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「ホリエモン」こと元ライブドア社長の堀江貴文氏のメールマガジンの発信・課金サービスを手がけるSNSメールマガジン (東京都港区)が、2021年2月19日に買収されることになった。このM&A資金を調達するため、買い手のINCLUSIVE<7078>は3月3日、堀江氏に対する1億9999万9800円の第三者割当増資を実施する。

SNSメールマガジンが運営する堀江氏のメルマガ(同社ホームページより)

買収資金は堀江氏が拠出

発行価格 は1株当たり1100円で、発表前営業日の終値と同額。同割当により、堀江氏は持株比率6.99%と、同社の藤田社長(持株比率59.15%)に次ぐ第2位の大株主となる。

SNSメールマガジンの取得総額は2億2400万円なので、INCLUSIVEにとっては増資する自社株と約2400万円のキャッシュでSNSメールマガジンを買収することになる。

INCLUSIVEのサービス開発ノウハウとSNSメールマガジンの情報発信ノウハウを活用して、ソーシャルネットワークサービス(SNS)への情報発信基盤を拡張するのが、M&Aの目的としている。

不可解なのは、堀江氏がSNSメールマガジンを売却した理由だ。アドバイザリー費用を除く取得金額が同社の純資産2億2200万円とぴったり同額であり、堀江氏の高いネームバリューがありながら「のれん代」は0円。特に高値で売却できたわけではない。

にもかかわらず第三者割当増資を引き受けて買収資金を提供していることから、堀江氏から話を持ちかけた可能性が高そうだ。そこまでしてSNSメールマガジンを売却する理由は、はっきりしない。

ただ、INCLUSIVEに売却を持ちかけ易かったのは理解できる。藤田社長はライブドア出身者で、堀江氏とは旧知の仲だったからだ。藤田社長は2005年4月にライブドアに入社、入社後まもなくしてライブドア事件が起こる。

2007年4月にインターネットサービスの運営・収益化事業を手がける前身のターゲッティングを設立した。2016年3月にINCLUSIVEへ社名変更し、2019年12月には東証マザーズに上場している。

最近はDX(デジタルトランスフォーメーション)コンサルティングに力を入れており、「地域DX」として2020年5月にサッポロビールから譲受した「北海道Likers」の運営をスタートし、月間120万PV(ページビュー)を突破するなどの成果をあげている。

旧知の仲だから好条件で譲渡したのか、それとも旧知の仲の企業にしか売れない事情があったのか。真相が明らかになるのは、これからだ。

文:M&A Online編集部


M&A Online編集部

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