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【JXTG】M&Aで、業界再編を超えた事業の柱を構築できるか

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こたまるさん

【財務分析】収益性の高い上流分野への投資が急務

 下記のグラフは、JXホールディングスの資産・負債の推移を表している。M&Aという観点からみると、のれんが資産に占める割合は低いため、のれんが減損した際のリスクは軽微と言える。

図表3:JXホールディングスの資産・負債の推移とのれん比率

M&A Online編集部作成

 一方で、株主資本比率は20%前後で推移しており、安全な水準とは言い難い。ただ、これは業界水準では平均的なものである。下記の通り、各社ともコスモを除けば株主資本比率は20%程度であるため、株主資本比率の改善は、業界全体の課題であるとも言える。

図表4:石油元売各社の株主資本比率

社名 株主資本比率(%)
JXTGホールディングス 22.29
出光興産 20.84
コスモエネルギーホールディングス 7.67
昭和シェル石油 22.67

 次に、セグメント別の売上推移をみてみよう。

図表5:セグメント別売上高とドバイの原油価格推移

M&A Online編集部作成

 主なセグメントの内容は次の通りである。エネルギー事業では、燃料油及び潤滑油等の製造・販売を行っている。石油・天然ガス開発事業では、石油・天然ガスの探鉱・開発及び生産を行っている。

 上記グラフは、セグメント別売上高と合わせて、ドバイ原油価格(UAE・ドバイで産出される原油で、アジアの原油価格の指標)の年間平均の推移を掲載している。

 同社の売上高に原油価格が大きな影響を与えていることがわかる。その点を考えれば、原油価格の下落に連動して売上高が低下していると言える。ただ一方で、直近の原油価格は持ち直しているため、需要減も影響を与えていることがわかる。

 今後は、JXホールディングス発足当初にも掲げていた通り、収益性の高い上流分野へと投資を推進することが必要となる。立て直しが急務であることも考えると、その手段の1つとしてM&Aは必須であると言える。

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