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【出光・昭和シェル統合】「合併」避け「親子関係」を選んだ理由は

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出光興産本社(東京・丸の内)

3年ごしの統合協議、出光創業家が一転賛同へ

出光興産は石油元売り2位、昭和シェル石油は同4位。両社は2015年7月、経営統合の協議を始めた。出光がロイヤル・ダッチ・シェル・グループから昭和シェルの株式(議決権比率33.3%)を取得し、昭和シェルの筆頭株主になったのが契機となった。同年11月には経営統合に関する基本合意を締結し、事はスムーズに運ぶかに見えた。ところが、出光の創業家が両社の社風の違いなどを理由に強硬に反対し、以降、統合計画は宙に浮く形となっていた。

そうした中、再び事態が動き出したのが6月末、出光創業家側が一転、統合に同意する立場だと伝えられた。そして7月10日、株式交換による統合決定の発表となった。

今後の統合スケジュールは10月に株式交換比率の合意、12月に両社の臨時株主総会開催を予定。株式交換比率は両社のデューディリジェンスを踏まえ、主に株価をベースに算定する。昭和シェルは2019年3月29日に上場廃止となる。

新日鉄住金は2段階の手続き踏む

2019年4月には出光・昭和シェル統合後の新体制が動き出す。そのまま親子関係を維持するのか、将来的に吸収合併や共同持ち株会社移行を視野に入れることになるのか。

折しも来年4月には新日鉄住金<5401>が社名変更し、69年ぶりに「日本製鉄」を復活させる。新日鉄住金は2012年10月、新日本製鉄と住友金属工業が経営統合して発足したが、その際、新日鉄は住友金属を株式交換でいったん完全子会社としたうえで、合併を行う2段階の手続きを踏んだ。

もっとも新日鉄住金のケースは当初吸収合併を予定していたものの、外国の税法上措置の適用を受けるために2段階手続きに変更した経緯がある。同列に論じられないとはいえ、出光・昭和シェルの場合は時間を置いたうえで合併など次の統合ステージに踏み込む可能性が高い。

文:M&A Online編集部

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懸案だった出光興産との合併が、ようやく実現に向けて動き出した昭和シェル石油。長らく同族経営で大型M&Aとは無縁だった出光と違い、昭和シェル石油の成り立ちは「M&Aの歴史」そのもの。しかも同社はある国際石油メジャーの設立とも深く関わっている。

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