島津製作所<7701>がM&A積極策に舵を切った。同社はこれまであまりM&Aを行ってこなかったが、2018年3月期から2020年3月期までの中期経営計画の中で、海外販路強化のためのM&A を検討する方針を公表。2017年6月にフランスの試薬製造会社Alsachim SAS(ALC)を買収したのに続き、2018年7月にはターボ分子ポンプの販売やメンテナンスなどのサービスを手がけるドイツのinfraserv Vakuumservice GmbH(IVG)を完全子会社化する。 

中期経営計画ではM&Aを含む設備投資に3年間で700億円を投じる計画で、今後海外企業の買収が活発化しそうだ。 

7月に買収するIVGは半導体製造装置向けの超高真空環境を作り出すターボ分子ポンプを取り扱う企業で、以前から島津のターボ分子ポンプのメンテナンスなどを請け負っていた。欧州の大手半導体メーカーや半導体製造装置メーカーが使用する真空機器のメンテナンスなどを手がけており、高い技術力を持つという。 

AI(人工知能)やIOT(モノのインターネット)の発展に伴って半導体市場が今後も成長することが見込めることから、島津では同社を完全子会社化し、欧州地域でのターボ分子ポンプの販売、サービス体制を強化する。 

これまで島津の欧州地域でのターボ分子ポンプの販売は、北米子会社が担っていたが、買収後はIVGに販売機能を移管し新規顧客の開拓などに取り組む。IVGは1993年設立で、2017年度の売上高は約6億4000万円。従業員は25人。買収金額は約6億円。 

2017年に買収したフランスのALCは安定同位体試薬の合成や製造を手がける企業で、2016年当時の売上高は300万ユーロ。島津は液体クロマトグラフ質量分析計を製造しており、この装置と試薬キットのセット販売を手がけている。 

ALCの買収によって新たな試薬キットの開発を進め、機器と試薬のセット販売で相乗効果を高め、質量分析事業を拡大する。 

島津では2020年3月期を最終年度とする中期経営計画で2017年3月期に3500億円だった売上高を2020年3月期には4000億円に高める計画。今後のM&Aの進捗によっては上振れする可能性もありそうだ。

文:M&A Online編集部