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【帝人】M&Aで素材メーカーから自動車部品メーカーへ「転身」

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欧州で自動車部品メーカーとしての存在感を示す帝人

翌2018年8月には子会社の帝人フロンティアを通じて欧州を中心に自動車向け内装材の生産・販売する独ジーグラー(J.H. Ziegler GmbH)の全株式を約162億円で取得し、完全子会社化した。ジーグラーは自動車用座席部材メーカーで、本革シート用緩衝材ではシェア世界一、車内の吸音材では欧州3位の大手だ。

欧州自動車メーカーの評価も高いジーグラーの自動車向け吸音材(同社ホームページより)

帝人は既存のエンジン車向けの部品供給に加えて、電気自動車(EV)の普及により車外の騒音を遮断するため従来の高周波音だけでなく、低周波音を抑える吸音材の需要が伸びると見込んでいる。帝人フロンティアの持つ素材技術とジーグラーの部品加工技術を組み合わせることにより、EV向け内装部品でのシェア固めを狙う。

すでに欧州ではテイジン・カーボン・ヨーロッパでCFRP(Carbon Fiber Reinforced Plastic=熱硬化性炭素繊維複合材料)の端材を極小化して生産コストを削減するプリフォーム製造技術「PvP」(Part via Preform)の一貫生産体制を構築しており、一次部品メーカー(Tier1)として欧州自動車メーカーへ構造材を納入していた。

17年1月に買収したコンチネンタル・ストラクチュラル・プラスチックスの仏現地法人CSPヨーロッパでは、熱硬化性樹脂をガラス繊維に含浸させシート状にした成形材工場の新設を決定し、欧州での複合成形材料事業拡大の準備が整う。

満を持した帝人は、2018年8月にポルトガルの自動車用外板向けFRP(繊維強化樹脂)成形メーカーのイナパル・プラスティコ(Inapal Plasticos)を約50億円で買収。同社の部品製造や加工能力や販路を利用することで、欧州自動車産業で複合材料部品メーカーとしての地位を固めていく。

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