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【大阪ガス】2030年に目指す姿は?

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大阪ガス本社(大阪市中央区)

電力の販売は2.74倍に

長期ビジョンでは売上高の目標を設定していない。さすがに10年以上先の数字を想定するのは難しいからだと思われる。ただ、そうはいっても全く目標数字がないのも計画達成に向けた取り組みが弱くなりかねない。 

このため長期ビジョンには業績にかかわるいくつかの目標数字が示されている。その一つが天然ガスと電力の販売。 

天然ガスは2016年度に960万トンだった販売を2030年度には1700万トンに高める。伸び率は1.77倍。一方、電力は2016年度に328万キロワットだった販売を900万キロワットに高める。伸び率は2.74倍となる。     

もう一つが経常利益の額。2030年度に2017年度比3倍の2000億円程度の経常利益を目指すという。この数字の実現のために海外事業の拡大に取り組む計画で、2017年度に5%弱だった海外事業比率を2030年度には30%強に高める。 

同社の経常利益は2016年3月期以降減益が続いていたが、2020年3月期は4年ぶりに増益に転じる見込みだ。 

2030年度までどのような経緯をたどるのかは分からないが、2030年に2000億円を達するためには、来期以降毎年100億円ほどの利益を上積みしなければならない計算になる。 

ちなみに売上高は2017年3月期以降拡大を続けており、2020年3月期も前年度比3.9%の増収を見込む。 

大阪ガスの経常利益推移。2020年3月期は見込み。2021年以降は計画

大阪ガスは1897年に設立され、1905年からガスの供給を始めた。1933年に完成した大阪ガスビルディングは現在も本社南館として使用されている。 

2003年に家庭用コージェネレーション(熱電併給)システム「エコウィル」の販売を始め、2012年には家庭用燃料電池「エネファーム」の販売を開始した。2006年には風力発電事業を始め、2016年には家庭用と小口業務用電力供給事業に参入した。 

2008年以降に適時開示した主なM&Aは2017年以降の3件を含め7件ある。2011年に同社の子会社であるガスアンドパワーが和歌山県の由良風力開発を買収したほか翌2012年には、佐賀県の肥前風力発電と山口県の平生風力開発の日本風力開発が所有する全株式をやはりガスアンドパワーが取得した。

2013年に子会社の大阪瓦斯ケミカルが活性炭大手のスウェーデンのJacobi Carbons ABを買収。さらに大阪ガスケミカルは2015年にも武田薬品工業から石油や油脂の精製に必要な活性白土などの製造販売を行う水澤化学工業(東京都)を買収した。

過去のM&Aは子会社を通じた案件が多かったが、サビンの買収を皮切りに今後は本体による大型のM&Aに移っていくことなる。

大阪ガスの沿革
1897 資本金35万円で設立
1905 中之島本社社屋竣工、岩崎町工場竣工、ガスの供給開始
1933 大阪ガスビルディング竣工(現在の南館)
1940 酉島工場操業開始
1949 近畿コークス販売(現・大阪ガスケミカル)を設立
1965 大阪ガス不動産(現・大阪ガス都市開発)を設立
1970 千里中央地区で日本初の地域冷暖房事業開始
1975 天然ガス転換開始
1979 世界初の冷熱発電用プラント操業開始
1983 オージー情報システム(現・オージス総研)を設立
1987 マイコンメーター導入開始
1990 天然ガス転換完了
1995 阪神・淡路大震災発生(約86万戸の都市ガス供給を停止)
1996 原料費調整(スライド)料金制度スタート
1997 一般家庭にマイコンメーター取り付け完了
2003 家庭用コージェネレーションシステム「エコウィル」の販売開始
2006 風力発電事業開始
2009 家庭用燃料電池「エネファーム」の販売開始
2012 自立運転機能付き家庭用燃料電池「エネファーム」の販売開始
2013 大規模太陽光発電所運転開始
2013 シンガポールでガス販売事業を開始
2014 タイでのエネルギーサービス事業を開始
2016 家庭用と小口業務用電力供給事業に参入
2017 都市ガスの小売全面自由化開始
2018 新グループブランド「Daigasグループ」導入

文:M&A Online編集部

M&A Online編集部

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