ヤフー<4689>は2019年6月3日からオークションサイト「ヤフオク!」に出品した商品が売れた際の売上金を、スマートホン決済サービスPayPayにチャージできるようにした。

ヤフオクで個人らが受け取る出品商品の売上金は年間およそ9000億円。これがPayPayにチャージされると大きな購買力になる。

これからは刈り取りの時期

ヤフーは同日からショッピングサイト「Yahoo!ショッピング」でのオンライン決済手法としてPayPayが使えるようにしたほか、他のサービスについても順次、PayPayによる決済手法を広げていく。

PayPayはこれまで2度、支払金額の20%を還元する100億円キャンペーンを実施し、加盟店に対しても取り扱い手数料を3年間無料にする対策を講じ、利用者と利用可能店舗の拡大に取り組んできた。

これら費用はすべてPayPayの負担であり、PayPayの親会社であるヤフーやソフトバンク<9434>の負担であった。

これはスマートホン決済サービスで一定のシェアを取るための作戦であり、今後は「ヤフオク!」や「Yahoo!ショッピング」などのヤフー関連サービスの利用者拡大や、ソフトバンクの携帯電話利用者の拡大などを目指す刈り取りの時期になる。

6月3日はその転換点であり、PayPayが新しいステージに入ったことを意味する。今後は、これまでのような話題性の高い100億円キャンペーンとは一味違ったキャンペーンを打ち出すことになりそうだ。

どのような内容になるのか。ショッピング、オークション、携帯電話料金、商品購入代金の支払いなどソフトバンクグループへの囲い込みが進むことが予想されるため、利用者はもとより競合企業からの注目度は高い。

囲い込み合戦の落ち着き先は

フリーマーケットのように個人が物品の売買を行えるスマートホンアプリを運用するメルカリ<4385>は、年間5000億円の出品商品の売上金を、メルペイにチャージしてスマートホン決済ができるようにした。4月にスマートホン決済サービスauPAYを始めたKDDI<9433>は、1年間に付与するポイントが2000億円ほどになるという。

それぞれの陣営による囲い込み合戦の落ち着き先はどこなのか。消費税率が8%から10%に引き上げられる2019年10月には、キャッシュレス化を促進するための施策が実施される予定で、ここでも大きな変化が見込まれる。2019年後半は大変革を体験できる貴重な期間となりそうだ。

文:M&A online編集部