もう1冊、注目したいのが第7位の「生涯投資家」。「もの言う株主」として知られる村上ファンドの村上世彰氏による“最初で最後の著書”だという触れ込みだ。村上氏は2006年にニッポン放送株式をめぐるインサイダー取引で逮捕後、しばらくは表舞台から姿を消していたが、2013年に投資家として復活。2015年には黒田電気に対して臨時株主総会の招集を請求するなどして、再び「もの言う株主」としての存在感を強めている。6月21日発売にも関わらず、ランキング入りしているあたり、世間の注目度もやはり高い。東京スタイル、ニッポン放送、阪神鉄道などへの投資の裏事情を明かし、自身の半生と共に己の投資理念・哲学を綴った。投資家の視点から日本の問題点を指摘し、日本企業や経営者らに上場企業のあるべき姿を問いかける。この数年でようやくコーポレート・ガバナンスが意識されるようになってきたが、村上氏は20年ほども前からその重要性について研究し、日本経済の発展のためには必要不可欠だと訴えてきた。コーポレート・ガバナンスについて、改めて考えさせられる1冊だ。
まとめ:M&A Online編集部
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