編集部おすすめの1冊~ランキング編~ 【2017年6月】

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売れているのには理由がある――。数多あるビジネス書の中から、どの本をいま読むべきか決めるのはなかなか難しい作業。ならば、世間で売れている本に注目してみようというわけで、ハイブリッド型書店サービス「honto(ホント)」の協力のもと、ビジネス書の月間ランキングを毎月お届けする。

<2017年6月ビジネス書ランキング>

ランキング タイトル/著者/出版社
第1位 多動力 全産業の“タテの壁”が溶けたこの時代の必須スキル(NewsPickSBook) 
堀江貴文/幻冬舎
第2位 あの会社はこうして潰れた(日経プレミアシリーズ)
藤森徹/日本経済新聞出版社
第3位 閉じてゆく帝国と逆説の21世紀経済(集英社新書)
水野和夫/集英社
第4位 一秒宝 「嫌なこと」をやめたら、結果を出す時間が増えていく
小栗成男/幻冬舎
第5位 東芝解体 電機メーカーが消える日 (講談社現代新書)
大西康之/講談社
第6位 会話もメールも英語は3語で伝わります Simple English for Everyone
中山裕木子/ダイヤモンド社
第7位 生涯投資家
村上世彰/文藝春秋
第8位 宝くじで1億円当たった人の末路
鈴木信行/日経BP社
第9位 捨てられる銀行 2 非産運用(講談社現代新書) 
橋本卓典/講談社
第10位 ヒアリング不動産投資 “年間家賃収入1億円”を突破した人の次なる戦略とは?
才津康隆/サンライズパブリッシング

honto調べ(集計期間:2017年6月1日~2017年6月30日)

東芝解体 電機メーカーが消える日

6月のランキングで注目したいビジネス書の一つは、第5位にランクインした「東芝解体 電機メーカーが消える日」だ。日本の総合電機メーカーを飛躍的に成長させ、そして結果として衰退させることになった電機メーカーを取り囲む大きな構造を指摘。NTTなど通信会社に囲われた「電電ファミリー」と、電力会社ひいては政府に抱きかかえられた「電力ファミリー」という構造は、それぞれ通信、電力という過去独占状態だった社会インフラに支えられてきた。そして、その温室の中で育ってきた日本の電機メーカーは競争力を失う一方、福島第一原子力発電所事故や通信・電力の自由化で温室が崩壊し、世界市場ではもはや戦うことができないという。白物家電については、国外では中国や韓国などのメーカーに太刀打ちできない状況に。携帯電話のみならず、白物家電もガラパゴス化していたようだと気づかされた。本著では、この皮肉な構造を大前提に、日本を代表する大手電機メーカー8社の歴史や経営を詳細に分析。先月末に決算報告なしという異例の株主総会を終えた東芝を筆頭に、NECやシャープ、ソニーなど、各社の“失敗の本質”に迫る。

生涯投資家

もう1冊、注目したいのが第7位の「生涯投資家」。「もの言う株主」として知られる村上ファンドの村上世彰氏による“最初で最後の著書”だという触れ込みだ。村上氏は2006年にニッポン放送株式をめぐるインサイダー取引で逮捕後、しばらくは表舞台から姿を消していたが、2013年に投資家として復活。2015年には黒田電気に対して臨時株主総会の招集を請求するなどして、再び「もの言う株主」としての存在感を強めている。6月21日発売にも関わらず、ランキング入りしているあたり、世間の注目度もやはり高い。東京スタイル、ニッポン放送、阪神鉄道などへの投資の裏事情を明かし、自身の半生と共に己の投資理念・哲学を綴った。投資家の視点から日本の問題点を指摘し、日本企業や経営者らに上場企業のあるべき姿を問いかける。この数年でようやくコーポレート・ガバナンスが意識されるようになってきたが、村上氏は20年ほども前からその重要性について研究し、日本経済の発展のためには必要不可欠だと訴えてきた。コーポレート・ガバナンスについて、改めて考えさせられる1冊だ。

まとめ:M&A Online編集部

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