2018年6月に政府が取りまとめた「未来投資戦略2018」。ベンチャー支援を強化して、「企業価値又は時価総額が10億ドル(約1120億円)以上となる、未上場ベンチャー企業(ユニコーン)又は上場ベンチャー企業を2023年までに20社創出」するという。果たして、その成算は?

ユニコーン企業が2か月連続で誕生

2018年6月19日、フリマアプリを手掛けるメルカリ<4385>が、東証マザーズ市場に上場した。公開価格の3000円を大きく上回る5000円の初値がつき、時価総額は6164億円に達した。同7月10日には電気刺激で筋肉を鍛える「シックスパッド」で知られる健康・美容器具メーカーのMTG<7806>が同市場に上場し、公開価格の5800円を上回る7050円の初値がつき、時価総額は2840億円に達した。なんと1カ月に1社の割合でユニコーン企業が誕生したことになる。

メルカリ
ユニコーン企業として上場を果たしたメルカリ(同社ホームページより)

「未来投資戦略2018」を策定したばかりの政府の未来投資会議にとっては、幸先の良い出足となった。とはいえ、この2社は未来投資会議とは関係がない、「民間の自助努力」によって誕生したユニコーン企業だ。調査会社の米CB Insightsによると、2018年6月時点で日本にユニコーン企業は2社ある。1社は上場したメルカリ、もう1社はAI(人工知能)の基幹技術である深層学習を手がけるプリファード・ネットワークスだ。

CB Insightsの「想定外」だったMTGがユニコーン企業の仲間入りをしたとはいえ、現時点で残っている未上場のユニコーン企業はプリファード・ネットワークスの1社のみ。6、7月はたまたまユニコーン企業の上場が重なっただけで、これからの「タマ」となると、少々心もとない。ユニコーン企業候補と目されるベンチャーで、推計企業価値が10億ドルを超えるのは前出のプリファード・ネットワークス(2326億円)を除くと、クラウド型名刺管理のSansanは505億円、リチウムイオン電池開発のエリーパワーは404億円、中小企業クラウド会計のフリーは394億円といったところ。いずれもユニコーン企業になるには、時間がかかりそうだ。