中小企業の後継者難が深刻化する中、親族以外の第三者に事業承継する際、その手法としてM&Aの活用が注目されている。当事者である中小企業の見方はどうなのか。東京商工会議所が公表した「事業承継の実態に関するアンケート」結果のうち、M&Aにフォーカスしてみると。

従業員に承継できない場合、半数以上がM&Aを検討

 アンケートは東京23区の中小企業1万社を対象に実施し、1907件の回答があった(回答率19%)。事業承継の準備状況や後継者の有無、後継者が不在な場合の対策、親族内承継での課題、M&Aに対するスタンスなどを聞いた。

 息子ら親族に後継者がいないケースでまず想定されるのが従業員への事業承継。従業員承継における課題では、「借入金・債務保証の引き継ぎ」と「後継者への株式譲渡」の答えが各56%と最も多く、次いで「後継者の教育」が49%だった(複数回答)。

 そのうえで、従業員に承継できなかった場合、5割を超える企業が民間仲介機関を利用したM&A、取引先・同業者への売却打診を検討すると回答した。一方で、2割近い企業は従業員承継できなかった場合、廃業すると答えた。