出光興産<5019>と昭和シェル石油<5002>の合併をめぐり、出光興産の創業家と経営陣の対立が再度表面化している。この問題で公認会計士や税理士などの専門家が注目しているのが、出光興産の創業家が設立した「財団」。超富裕層の節税手法として、財団を活用するケースが多いのだが、事業譲渡した後の経営面でみると、株式の持たせ方によっては経営リスクになりかねないというのだ。

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出光・昭和シェルの合併から学ぶ 財団使った相続対策

石油業界の大型再編が進行中だ。業界第2位の出光興産と第5位の昭和シェル石油、業界第1位のJXホールディングスと第4位の東燃ゼネラル石油の、2陣営の合併作業が進められている。いずれも2017年4月に経営統合することになっているが、出光・昭和シェル陣営に暗雲が立ち込めている。出光の創業家が統合に強く異を唱えているからだ。

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出光のお家騒動はこれが初めてではない。純粋な創業家対経営陣の争いだったわけではないが、一族骨肉の争いを演じている。
2000年5月、有利子負債1兆7千億円を抱え倒産の危機に瀕したとき、再建を巡り社長派と会長派の一族同士が分裂して争った。会長だった出光昭介氏は創業者佐三氏の長男で、第5代社長を務めた本家直系のオーナー。社長だった昭氏は佐三氏末弟で2代目社長計介氏の次男で1989年から社長に就任していた。

社長派が勝利した結果、外部資本導入と株式上場が決定され出光興産は2006年10月、東京証券取引所第1部に上場された。推進者は、社長派の専務であった天坊昭彦氏。天坊氏は、後に第8代目社長を務めた後、会長、そして石油連盟の会長職にも就いている人物。出光興産では、中興の祖とも言われている。