ゴルフシャフト事業は古巣のI.S.Tに売却

ゴルフシャフトは、尾崎将司(ジャンボ尾崎)選手と専属契約したことで有名です。カーボンを用いて無研磨・無塗装でシャフトを製造する技術を開発しました。それにより、個人にぴったりの重量に仕上げることができるのです。

世界で最も高価なシャフトともいわれ、1本10万円を超えていました。この事業は2018年11月に阪根氏が経営に関わっていたI.S.Tに譲渡しています。

セブン・ドリーマーズのゴルフシャフトにはファンが多く、仮に量産化に踏み切って安価な製品を市場に流し込めば、高収益が得られた可能性もあります。しかし、同社は頑なにカスタムメイドにこだわっていました。やはり、営業力・販売力よりも技術力に目が向いた会社だったといえます。

「ナステント」は、ゴルフシャフト事業売却後に会社を支えた事業です。鼻腔に器具を差し込み、いびきや無呼吸症候群を改善します。医師の診断が必要で、医療器具としての地位を確立しています。「ナステント」事業は、しばらく運営を継続すると発表しています。

そして「ランドロイド」事業です。

代表の阪根氏が妻に「世の中になくて、何かほしいものは?」と問うと、洗濯物を畳みながら「これを自動でやってくれる機械」と一言。これが開発のきっかけとなりました。

表参道のショールームには、実際のロボットが展示されています。大型冷蔵庫ほどの筐体内にはAIが搭載。衣服の大きさを見極めて、アームが自動で衣服を畳みます。185万円で販売を開始し、将来的には20万円まで引き下げる計画でした。表参道にカフェを併設したショールームを設立し、2018年から本格販売するとメディアで報じられていましたが、開発は行き詰っていました。

ナステント
「ナステント」は当面の間事業を継続

パナソニックと大和ハウス工業から2018年9月に10億円を追加調達

業績を見てみましょう。セブン・ドリーマーズは、2016年11月にパナソニック、大和ハウス工業と合弁会社「セブン・ドリーマーズ・ランドロイド株式会社」を立ち上げて、衣服の自動折り畳みロボット事業を分社化していました。

両社の直近の決算です。

企業名売上高営業損失純損失
セブン・ドリーマーズ7億4100万円22億7600万円17億2400万円
セブン・ドリーマーズ・ランドロイド0円9億5300万円8億6500万円

決算公告より筆者作成

儲けは全く出ておらず、ランドロイドの開発費が嵩む姿が浮かびます。自動折り畳みロボットは、マンションへの標準設備などにも期待がされており、開発が進んでいれば、資金調達ができるはずです。これまでは、夢を語ることで投資家から資金を集めていました。しかしここにきて、開発が順調に進んでいないことが露呈したと考えられます。

2018年9月にパナソニック、大和ハウス工業から10億円を調達しており、累計110億円もの資金を集めていました。

第三者割当増資による資金調達

発表時期金額引受先
2015年6月15.2億円・株式会社東京大学エッジキャピタル/UTEC
・KISCO 株式会社
・全日空商事株式会社
・株式会社四条
・株式会社新生銀行など
2016年11月60億円・パナソニック株式会社
・大和ハウス工業株式会社
・SBIインベストメント株式会社などが運営するファンドなど
2017年6月25億円・コールバーグ・クラ ビス・ロバーツ(KKR)創始者のヘンリー・クラビス氏とジョージ・ロバーツ氏らの個人投資家
・復星国際(本社:香港)
・鈴与株式会社
・株式会社滋賀銀行
・大和企業投資株式会社
2018年9月10億円・パナソニック株式会社
・大和ハウス工業株式会社

※同社発表より筆者作成

これだけの著名投資家、大企業が期待をしていましたが、夢の自動衣服折り畳みロボットは潰えてしまいました。

極めて高い技術力が要求され、それを完璧に乗り越えようとしてきた企業です。しかし、それが倒産という最悪のケースへと発展してしまいました。もし商売っ気のある人がいれば、あるいは違う形になっていたのかもしれません。

麦とホップ@ビールを飲む理由