事業承継M&Aに落とし穴~

 和泉石灰建材(株)(TSR企業コード:570234158、法人番号: 4120101000321、堺市堺区海山町4-171-1、設立昭和23年6月16日、資本金4500万円、福田豊社長)は12月28日、大阪地裁に民事再生法の適用を申請した。申請代理人は赫高規弁護士(弁護士法人関西法律特許事務所、大阪市中央区北浜2-5-23、電話06-6231-3210)ほか3名。
 負債総額は9億4379万円(平成29年11月期決算時点)。

 昭和16年発足の和泉石灰共販組合を源流とする老舗の土木・建築資材販売業者。左官資材・内外装壁材・屋根材・住宅設備機器・エクステリア商品・太陽光発電システム関連商材の販売と施工を手掛け、大阪府下を中心に近畿一円の建材販売業者や建設業者に販路を構築、平成9年11月期には売上高31億8814万円を計上していた。
 その後は建設不況を経て業容を縮小し、赤字を散発したことで財務基盤が後退していた。また、懸念材料となっていた後継者問題に加え、これまで築いてきた大手企業とのパイプを活かしたい意向もあり、コンサルタントに依頼してM&Aによる事業承継を企図した。
 30年8月6日にM&Aを通じてグループを拡大していた(株)イズミプロセス(TSR企業コード:430308361、法人番号: 7080001007609、静岡市清水区、福田豊社長)の傘下となり、福田社長が当社の代表取締役に就任し、以降は資金面の管理をイズミプロセスが行ってきた。
 しかし、イズミプロセスグループの1社が行っていた工場跡地の開発計画が頓挫。その後、福田社長の自宅に仮差押登記が設定されるなどしてグループ全体の対外信用が失墜した。当社は資金面の管理をイズミプロセスに一任していたことから10月に資金ショートを起こした。さらに10月末で大半の従業員が退職、事務所を閉鎖する事態となっていた。
 事態打開のためイズミプロセスは11月、グループ全体の「私的整理」を進めると金融機関等に通知していたが一転、ここにきて当社は民事再生法の適用を申請した。

東京商工リサーチ「TSR速報」より