事業承継M&Aが仇に 大阪・老舗の土木建築資材販売会社が民事再生
和泉石灰建材は12月28日、大阪地裁に民事再生法の適用を申請した。負債総額は9億4379万円。平成30年8月6日に後継者不在などを理由にM&Aを通じてイズミプロセスの傘下に入っていた。
2018/12/25(火)公開
~元ジャスダック上場~
イーター電機工業(株)(TSR企業コード:291705626、法人番号:7010801000777、大田区本羽田2-16-10、設立昭和54年12月3日、資本金17億1853万円、髙橋洋社長)は12月25日、事業を停止し、破産手続きを新垣卓也弁護士(清水・新垣法律事務所、港区西新橋3-4-2、電話03-3435-1177)ほか1名に一任した。
負債総額は31億3644万円(平成30年3月期決算時点)。
各種電気機器のスイッチング電源専業メーカーとして知られていた老舗企業。小型化や省力化などの技術力に定評があり、電気機器メーカーや電子部品メーカーからの受注を得て順次業容を拡大。平成8年10月に株式を店頭上場(その後、ジャスダック市場に変更)した。
東京本社のほか、生産拠点としてマレーシアなどアジア地域にも進出し、平成13年3月期の連結売上高は約93億7400万円をあげていた。
しかし、リーマン・ショック以降の受注不振や円高進行による為替差損が発生するなどして事業環境が悪化。売上減少に加え、採算悪化により20年3月期以降は大幅な赤字決算が続き、27年3月期連結決算で債務超過に転落。その後も業績改善がみられず、債務超過を解消することができず上場廃止基準に抵触し、28年7月25日に上場廃止となった。
以降も事業を継続していたが、30年3月期の単体売上高は約25億8600万円まで減少。業績不振が続くなかで資金繰りも限界に達し、今回の措置となった。
なお、当社の現在の筆頭株主である山陽電子工業(株)(TSR企業コード:710043171、法人番号:6260001002682、岡山市中区)は12月25日、自社ホームページ内で「弊社電子デバイス事業の製造元であるイーター電機工業(株)が、2018年12月25日をもって事業停止となりました。なお、本件の弊社への財務上の影響はございません。」(原文のまま)と公表している。
和泉石灰建材は12月28日、大阪地裁に民事再生法の適用を申請した。負債総額は9億4379万円。平成30年8月6日に後継者不在などを理由にM&Aを通じてイズミプロセスの傘下に入っていた。
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10月20日、東京地裁に民事再生法の適用を申請したラポール。23日の債権者説明会では、再生手続きに賛成する意思を示した債権者はいなかった。再建の目途はつくのか、会社関係者に取材した。