オバコは自動車向け軸受鋼を強みとし、欧州全域に販売・二次加工拠点を持つ。売上高は約1200億円。同社については6月1日に欧州の投資ファンドから全株式を取得し、完全子会社化を完了した。
一方、山陽特殊製鋼は軸受鋼を中心とし、売上高は1574億円。新日鉄住金は同社に約15%出資しているが、これを51%超に引き上げる計画。子会社化の方法については現在協議中で、第三者割当増資の引き受けやTOB(株式公開買い付け)、またはこれらの組み合わせなどを想定している...
食品用トレー最大手のエフピコが事業拡大を急ピッチで進めている。2017年から再生PET樹脂の生産力を増強、2018年5月には共同出資で新たなグラビア印刷工場を稼働した。積極投資で業界トップの地位は不動。この「快進撃」の原動力がM&Aだ。
文化シヤッターは建設関連需要で盛り上がる「東京五輪」後を見据えて、海外市場開拓を本格化している。海外売上比率は1%に満たず、大きく出遅れている。その同社が3月、50億円超を投じて初の海外M&Aを実施し、豪州の有力建材メーカーを子会社化した。
110年間、ハトメやホックなどを手がけているモリトは、マリンレジャーやスノーボードなどスポーツ用品の輸入販売を手がけるマニューバーライン子会社化した。中期経営計画に盛り込んだM&A推進方針に沿ったもので、今後も同様の企業買収がありそうだ。
ここ5年間、永谷園ホールディングスのM&Aが活発だ。狙いは外資系食品関連企業を通じての海外市場の開拓。お茶づけ海苔や即席味噌汁といった国内市場向け食品に特化してきた永谷園が、なぜ海外に目をけたのか。そこには創業以来の戦略を一新する変革があった。