ご注意ください
この記事は公開から1年以上経っています。掲載されている情報は、公開当時のものです。

【7月M&Aサマリー】コロナの逆風下で過去10年最多の70件|コロワイド、大戸屋を敵対的買収へ

alt
経営再建中のペッパーフードサービスが譲渡を決めたペッパーランチ事業(写真は東京・両国の店舗)

「10億円超」復調も、海外案件2件のみ

新型コロナ感染拡大で顕著となっていた案件の小型化傾向にはやや変化が出てきた。取引金額100億円超の大型M&Aは2件どまりで依然低調だが、10億円超の中型案件でみると13件を数え、4カ月ぶり2ケタに戻った。10億円超の案件は1月15件、2月23件、3月15件の後、4月4件、5月7件、6月8件と10件に満たないままだった。

上場企業の子会社・事業がM&Aの売買対象となった案件は25件。7月の総件数(70件)の3分の1強に上り、件数増を下支えしている。

海外案件では、大気社がクリーンルーム向け部材製造のインドNicomac Clean Rooms Far Eastを45億6400万円で子会社化するのが最も大きい。10億円超はこのほかにダントーホールディングスが米住宅金融会社SRE Mortgageを子会社化(14.9億円)する案件があるだけで(一覧表を参照)、海外M&Aの低調ぶりを示している。

ホテル・宿泊で「中止」含めて4件

業種別で目を引いたのは4件のM&Aがあったホテル・宿泊関係。

FRACTALEはホテル運営受託のアレグロクスホテルマネジメント(東京都港区)を子会社化し、新日本建物は自己破産したファーストキャビン(東京都千代田区)のカプセルホテル事業を取得した。一方、バルニバービは子会社で料理旅館「南禅寺参道 菊水」を運営する菊水(京都市)を売却する。

傘下の倉敷ロイヤルアートホテル(岡山県倉敷市)の売却を7月初めに発表しながら、同月中旬に売却中止となったのはストライダーズ。コロナ感染再拡大の懸念が強まる中、売却予定先から取得を断念せざるを得ないとの申し入れがあったという。

新日本建物が事業取得した「ファーストキャビン」

東京ガスは米国での2件のM&Aを発表。シェールガス開発の合弁企業キャッスルトン・リソーシズを子会社化するほか、再生可能エネルギー事業者のヘカテエナジーから太陽光発電事業(テキサス州)を取得する。いずれも取得金額を明らかにしていないが、このうち太陽光発電事業については約490億円を出資して運営子会社を設立した。

歯科診療用品通販の歯愛メディカルは電力小売り事業を手がける四つ葉電力(大阪市)、ワンレクトホールディングス(金沢市)の2社を子会社化した。歯愛は2016年に新電力事業に参入し、歯科医院やクリニックを中心に全国1万3000件以上の契約先を持つ。

海運でも2件あった。栗林商船が日本通運傘下で函館・青森間の青函フェリーを運航する北日本海運(北海道函館市)、明治海運がパナマの合弁外航海運TRINITY BULKの子会社化を決めた。

◎7月M&A:取引金額10億円超の案件

1 住友ベークライト、川澄化学工業をTOBで子会社化(270億円)
2 昭和産業、三井物産傘下でブドウ糖製造のサンエイ糖化(愛知県知多市)を子会社化(150億円)
3 ペッパーフードサービス、「ペッパーランチ」事業を投資ファンドのJ-STAR(東京都千代田区)に譲渡(85億円)
4 コロワイド、大戸屋ホールディングスをTOBで子会社化(71.7億円)
5 大気社、クリーンルーム向け部材製造のインドNicomac Clean Rooms Far Eastを子会社化(45.6億円)
6 ファーストブラザーズ、ビル運営管理・設備点検の富士ファシリティサービス(大阪市)を子会社化(21.7億円)
7 栗林商船、日本通運傘下で青函フェリー運航の北日本海運(北海道函館市)を子会社化(20.3億円)
8 電算システム、情報セキュリティー製品輸入のピーエスアイ(東京都新宿区)を子会社化(17.1億円)
9 ポート、マッチングサイト「外装塗装の窓口」運営のドアーズ(東京都港区)を子会社化(16.1億円)
10 ダントーホールディングス、米住宅金融会社SRE Mortgageを子会社化(14.9億円)
11 マネーフォワード、会計関連システム開発・販売のアール・アンド・エー・シー(東京都中央区)を子会社化(13.2億円)
12 OCHIホールディングス、内装工事のアイエムテック(広島市)を子会社化(12億~13億円)
13 KDDI、宅配水事業を富士山の銘水(山梨県富士吉田市)に譲渡(10.9億円)

文:M&A Online編集部

M&A Online編集部

M&Aをもっと身近に。

これが、M&A(企業の合併・買収)とM&Aにまつわる身近な情報をM&Aの専門家だけでなく、広く一般の方々にも提供するメディア、M&A Onlineのメッセージです。私たちに大切なことは、M&Aに対する正しい知識と判断基準を持つことだと考えています。M&A Onlineは、広くM&Aの情報を収集・発信しながら、日本の産業がM&Aによって力強さを増していく姿を、読者の皆様と一緒にしっかりと見届けていきたいと考えています。


NEXT STORY

「買収」には二つの意味がある!

「買収」には二つの意味がある!

2020/07/12

最近、「買収」の2文字をニュースでよく目にします。外食大手、コロワイドが定食専門店の戸屋ホールディングスの買収に乗り出した一件。もう一つが河井克行前法相夫妻(自民党を離党)による買収事件。今回は、そんな「買収」にスポットを当てます。

関連のM&A速報