【役員陣】現社長は創業者の真田哲弥氏

 現社長は創業者の真田哲弥氏である。真田氏は関西学院大学在学中からさまざまな業種の会社を設立。1989年には、iモードのビジネスモデルの原型となるダイヤルQ2を利用した音声及びFAXによるコンテンツプロバイダを立ち上げ、97年からは株式会社アクセス(現:ACCESS)でiモードの仕様策定、ブラウザ開発に携わる。98年にサイバードを設立し、取締役副社長&CTOに就任。2000年、サイバードのR&D部門として携帯電話向けソフトウェア研究開発型企業KLab(ケイ・ラボラトリー、当時)を設立した(同社ホームページより)。副社長の五十嵐洋介氏をはじめ、専務の森田英克氏、常務の高田和幸氏もケイ・ラボラトリーの出身である。

【株主構成】筆頭株主の真田氏のほかは金融機関が並ぶ

 筆頭株主は現社長の真田哲弥氏。歴史の浅い段階での上場ということもあり、オーナー色が強い。そのほかの主要株主には、金融機関が並ぶ。ちなみに、主要株主に名を連ねている仙石浩明氏もケイ・ラボラトリーの出身である。

図表2:KLabの株主構成

有価証券報告書をもとにM&AOnline編集部作成

【M&A戦略】M&Aとエクイティで資金と人材を確保

 もう一度、同社の沿革をご覧いただきたい。KLabは2011年からの3年間で素晴らしい躍進を遂げてきた。しかし組織内部においては歪みが生まれていた。2013年には、売上高は増加したものの、大幅な赤字を出すこととなった。

 原因としては、①提供したゲームの空振り、②案件の増加による人手不足・外注費の増加などがあげられる。これを受け、KLabはM&A及びエクイティ(株主資本)の増加をもたらす資金調達を利用した手元資金の増加を策した。

  KLabの手元資金獲得への施策としては、まず2013年10月には主軸事業以外の切り出しを行っている。2011年より行ってきた舵切の結果、2013年12月にはグループ売上の93%がゲーム事業にて占められることとなった。これを受け、大規模システムのインテグレーションを行うSI事業及びライセンス事業の他の事業の切り出しを行った。

 SI事業はアクロディア(東京都・ソリューション事業及びEC事業)へ、ライセンス事業はレピカ(東京都・SI・アプリケーション開発他)へ事業譲渡を実行した。売却時点では、SI事業は売上高949百万円、経常利益455百万円、純資産77百万円であり、譲渡価額は350百万円。ライセンス事業は売上高270百万円、経常利益207百万円、純資産△53百万円であり、譲渡価額は250百万円と切り出しが実行できている。

 続いて2013年11月、中国最大級のスマートフォン向けアプリ配信プラットフォーム「360 Mobile Assistant(中国名:360手机助手)」を展開する奇虎360と資本業務提携契約を締結した。KLabの第三者割当増資を奇虎360が受け、所有議決権割合2.63%に対し、596百万円の資金調達を行った。また、ドイツ銀行ロンドン支店にも同じく第三者割当による新株式を発行し、所有議決権割合9.79%に対し、3,543百万円を調達した。

 このようにM&Aとエクイティをうまく利用した、如何にも新進気鋭といえる手法は、結果として評価できるだろう。この種銭を基に、KLabの最大ヒット作である「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル」を進行させ、翌期には無事、黒字転換することができた。