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【国際石油開発帝石】石油価格下落、脱炭素化で「生き残る」方法

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次のステップも官主導の再編か

もう一つは油田・ガス田はいずれ枯渇するため、新しい資源開発が欠かせない。しかし、資源開発にはリスクが伴う。国際石油開発帝石も2018年3月期にガス田開発の失敗で700億円を超える減損損失を被っている。このリスクにどう向き合うのか。ただでさえ石油需要は右肩下がりになっており、油田開発でもたらされる利益は小さくなる一方だ。当然、相対的なリスクは高くならざるを得ない。

そうなればM&Aによる業界再編しか生き残る道はない。石油・ガス資源開発企業には石油資源開発やK&Oエナジーグループのほか、2001年に民事再生法申請後にコスモエネルギーホールディングス<5021>、JX石油開発、三井石油開発が救済した合同石油開発などがある。M&Aによる規模拡大で、油田・ガス田開発のコスト競争力を高めると同時にリスクを分散することで生き残りを図るべきだろう。

地熱発電所開発
地熱発電所の開発にも取り組む(北海道阿女鱒岳)

加えて脱炭素社会に向けた「脱石油・脱天然ガス」化の新エネルギー対策も欠かせない。国際石油開発帝石は秋田県、北海道とインドネシア・サルーラで地熱発電の事業化に取り組んでいる。新潟県上越市ではメガソーラー(大型太陽光発電所)を稼働した。特に油田やガス田の掘削技術が生かせる地熱発電は有望だ。

だが、これらの再生可能エネルギー事業は緒についたばかりで、事業としては石油・天然ガスには遠く及ばない。ライバル各社も同様の取り組みを進めており、バラバラで取り組むのでは投資や研究開発の効率が悪い。再生可能エネルギーを新たな経営の柱とするためにも、M&Aは必須条件といえよう。

「上流部門」は日本のエネルギー政策と密接に関わっており、政府の影響力は今も強い。ジャパン石油開発や合同石油開発の救済が政府主導だったのもそのためだ。今後、石油・天然ガス資源開発業界のM&Aも政府主導で実行されることになるだろう。

2018 年6月には経済産業省出身で元資源エネルギー庁長官の上田隆之氏が、国際石油開発帝石の社長に就任した。いつでも政府主導の再編に乗り出す準備は整っている。そのタイミングは石油価格が暴落するか、あるいは石油需要が大幅に減少する時期だ。「その時」が来るのはそう遠くない。

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