ご注意ください
この記事は公開から1年以上経っています。掲載されている情報は、公開当時のものです。

【国際石油開発帝石】石油価格下落、脱炭素化で「生き残る」方法

alt

石油価格に翻弄される「運命」

石油価格の下落は、石油産業の上流部門に最も深刻な打撃を与える。国際石油開発帝石になってからも事情は同じだ。2016年1月に米国のシェールガスの大増産と中国や欧州での景気減速による需要減で12年ぶりとなる1バレル=20ドル台に急落。

シェールガスも石油・天然ガスの脅威に

16年3月期決算では売上高が前期比13.8%減の1兆0095億円に落ち込んだのに加え、米ルシウス油田などの保有油田で減損損失を計上した結果、当期純利益は同78.4%減の167億円に。同期の売上高当期純利益率1.6%という「危険域」にまで落ち込んだ。

ところが16年12月にOPEC(石油輸出国機構)が15年ぶりの減産合意に至り、原油価格は50ドル前後で安定した。その結果、17年3月期決算では売上高こそ同13.4%減の8744億円だったが、当期純利益は同175.2%増の461億円に跳ね上がった。売上高当期純利益率も5.2%の「安全域」にまで回復している。

2018年3月期も平均原油価格が57ドル85セントと前期より7ドル97セント上昇したのを受けて売上高は同6.8%増の9337億円となったものの、販売量の減少や762億円ものカナダ・シェールガスプロジェクトの減損損失を計上したために、当期純利益は同12.6%減の403億円に。売上高当期純利益率4.3%と、再び「安全域」の5%を割り込んだ。

これは今後の同社の運命を占う上で示唆的な事実である。第一に「石油価格が上昇すれば安泰」という石油産業の「鉄則」が通用しなくなりつつあることだ。2018年3月期の売上高は石油価格の値上がりが押し上げたが、販売量が前期並みであればさらに887億円を積み上げることができた。

石油販売の減少は一時的なものではない。ハイブリッド車のみならずガソリン車も自動車メーカーの燃費改善競争で、1台当たりのガソリン消費量は激減している。日本では人口減少と公共交通機関の利便性が高い都市部への人口集中が加速し、自動車販売の減少が続くのは確実だ。当然、石油消費を支える国内ガソリン販売量は右肩下がりになる。電気自動車(EV)が普及することになれば、なおさらだろう。

NEXT STORY

東証1部の日本海洋掘削が会社更生法を申請 負債総額904億円

東証1部の日本海洋掘削が会社更生法を申請 負債総額904億円

2018/07/15

日本海洋掘削が会社更生法の適用を申請した。負債総額は約904億7300万円と負債額は今年に入って最大。東証1部上場企業が経営破たんするのは、タカタ以来約9ヶ月ぶりとなる。