過去最高売り上げを更新した「イオン」不振の上場子会社の影響は?

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都内の店舗

大手スーパーのイオン<8267>は、2022年2月期第2四半期決算で、売上高が4兆3449億1900万円となり、過去最高(2020年2月期第2四半期)を更新した。

主力のGMS(総合スーパー)事業や、ドラッグストアなどのヘルス&ウエルネス事業、総合金融事業、ディベロッパー事業などで増収となったのが要因で、同時に利益も回復し営業利益、経常利益は大幅増益となり、当期損益は黒字転換した。

一方、イオンの子会社で靴小売り大手のジーフット<2686>は、当初2022年2月期に黒字転換を見込んでいたが、業績予想を下方修正し、3期連続の営業赤字が避けられない見通しとなった。

このためイオンはジーフットが実施する第三者割当増資を引き受ける方向で協議に入っており、2022年2月末までに資本支援を実施する予定だ。

子会社の経営不振は、コロナ禍から立ち直りつつあるイオンの足を引っ張ることになるのだろうか。

当期黒字に転換

イオンの2022年2月期第2四半期決算は前年同期比1.7%の増収となった。GMS事業3.6%増、ヘルス&ウエルネス事業6.2%増、総合金融事業3.9%増、ディベロッパー事業20.5%増、サービス・専門店事業13.8%増といった具合で、SM(スーパーマーケット)事業・DS(ディスカウントストア)事業と国際事業は前年実績を上回ることができなかった。

利益は、GMS事業とサービス・専門店事業でセグメント利益が赤字になったものの、総合金融事業でセグメント利益が約5倍に急増したほか、ディベロッパー事業でも52.9%増と高い伸びになった。

これら事業が貢献し、2022年2月期第2四半期の営業利益は前年同期比29.4%増の777億6500万円、経常利益は同78.6%増の779億3100万円と大幅増益を達成。当期利益は45億8800万円(前年同期は575億円5600万円の赤字)の黒字を確保した。

大きな脅威には

一方、ジーフットは当初、2022年2月期に営業利益6億円、経常利益6億円、当期利益1億円を見込んでいたが、10月6日に当初予想より66億~67億円引き下げ、営業損益は60億円、経常損益は61億円、当期損益は65億円のいずれも赤字に修正した。

新型コロナウイルス感染症拡大の影響で、土、日、祝日の臨時休業や時短営業などによる販売機会の減少に加え、ゴールデンウィークや夏休みなどに緊急事態宣言や変異株のまん延などが重なったため、売上高が当初の目標を大きく下回ったのが要因で、2022年2月の売上高は当初予想より133億円低い667億円を見込む。

イオンの2022年2月期通期の業績は、売上高8兆6200億円(前年度比0.2%増)、営業利益2000億~2200億円(同32.8~46.1%増)、経常利益1900億~2100億円(同36.9%~51.3%増)、当期利益200億~300億円(前年度は710億2400万円の赤字)の見込み。

予想通りイオンの営業利益が2000億円を超えるのであれば、60億円の営業赤字に陥る見込みのジーフットのリスクは、さほど大きな脅威にはならなさそうだ。

文:M&A Online編集部

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