「吉野家」と「ウエルシア」がタッグ ドラッグストアで牛丼販売 中食需要を掴むことができるのか

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牛丼チェーン「吉野家」を展開する吉野家ホールディングス<9861>が、他社との連携による販売店舗数の拡大に乗り出した。同社は2021年10月にドラッグストアチェーン「ウエルシア」で牛丼販売を本格化したほか、今後同様スタイルのビジネスモデルの展開に取り組む。

同社の現在の国内店舗数は1183店(2021年8月)で、2015年の1179店に次ぐ低い数字となっており、既存店の売上高も2020年1月以降の20カ月で前年実績を上回ったのは3カ月だけという苦しい状況が続いている。

コロナ後を見据え、こうした状況を打破するための施策として、他社との連携強化を打ち出したもので、販売店舗数の拡大とともに既存店売上高の回復も見込めるそうだ。ウエルシアとの連携とはどのようなものなのか。

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12月までに50店で販売

吉野家は2020年6月から吉野家店舗で作った牛丼をウエルシアに納品し、弁当、惣菜売場で実験的に販売してきた。その結果、ランチタイムを中心に需要が確認できたため、納品と販売の両方の体制が構築できた関東地域で販売店舗を拡大することにした。

吉野家淡路町店からウエルシア千代田御茶ノ水店など4店舗に牛丼を納品したのを皮切りに、現在は14店舗で実験販売を行っている。

10月からウエルシア練馬早宮店など合わせて20店舗で牛丼の販売を始め、12月までにウエルシアの牛丼販売店舗数を50店にまで増やす予定。

吉野家は早朝の閑散時間帯を使って牛丼の製造を行うことで、店舗の生産性を高めることができ、ウエルシアは強化している惣菜、弁当事業で品ぞろえを拡充できる。コロナ禍の中、中食需要が高まっていることから、両社の思惑が一致した。

吉野家の国内店舗数は2015年6月(1179店)以降、徐々に増え、2019年、2020年は1200店代で推移したものの、2020年12月に1199店となったあと、2021年は減少傾向をたどっている。既存店売上高も2020年10月に100.4%となったあと2021年8月(107.3%)までの間、9カ月連続で前年実績割れとなっている。

吉野家は、店内飲食、テイクアウト、ドライブスルー、デリバリーなどの方法で牛丼を販売しているほか、ネット販売や宅配事業サービスなども手がけており、今回これにドラッグストアなど他店との連携による販売手法が加わりことになる。果たしてその効果は?

【吉野家の国内店舗数の推移】

2014年 2015年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年 2021年
1月 1, 172 1,194 1,190 1, 206 1, 197 1, 208 1, 211 1,191
2月 1, 174 1,190 1,188 1, 207 1, 200 1, 211 1, 214 1,189
3月 1, 179 1,180 1,189 1, 204 1, 197 1, 212 1, 213 1,186
4月 1, 182 1,180 1,188 1, 205 1, 199 1, 215 1, 216 1,186
5月 1, 184 1,181 1,191 1, 207 1, 200 1, 216 1, 217 1,186
6月 1, 185 1,179 1,197 1, 198 1, 200 1, 217 1, 218 1,186
7月 1, 187 1,184 1,199 1, 197 1, 203 1, 215 1, 218 1,183
8月 1, 183 1,184 1,197 1, 196 1, 205 1, 211 1, 213 1,183
9月 1, 182 1,184 1,199 1, 196 1, 206 1, 212 1, 209
10月 1, 182 1,186 1,202 1, 197 1, 209 1, 212 1, 207
11月 1, 181 1,187 1,204 1, 198 1, 208 1, 214 1, 206
12月 1, 187 1,191 1,207 1, 201 1, 208 1, 210 1, 199


【吉野家の既存店売上高前年同月比】単位:%

2019年 2020年 2021年
1月 96.7 109.5 90.5
2月 92.6 97.9 82.9
3月 108.1 98.2 89.5
4月 104.8 96.0 89.9
5月 105.2 92.7 99.4
6月 107.1 87.7 99.6
7月 102.6 94.3 95.9
8月 113.9 83.2 107.3
9月 104.6 90.8
10月 108.2 100.4
11月 107.3 93.4
12月 111.3 88.8

文:M&A Online編集部

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