「ジャノメ」は67年ぶり、こんなにあるよ10月の社名変更

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「ジャノメ」の本社(東京都八王子市)

10月1日の2021年度下期入りとともに社名変更する上場企業は17社を数える。4月1日の15社を上回り、今年最も多い。家庭用ミシン最大手の蛇の目ミシン工業は67年ぶり、特殊鋼メーカーの新報国製鉄は72年ぶりに社名を改める。

100周年を迎え「ジャノメ」に

10月の社名変更企業のうち、最も業歴が長いのが蛇の目ミシン工業。同社は1921(大正10)年に日本初の国産ミシンメーカーとして東京都内で創業し、10月16日に100周年を迎えるのを機に、広く知られるブランド名の「ジャノメ」に社名を変える。産業機器事業を経営の新たな柱に育成中で、こうした流れを後押しする狙いも込められている。

創業当初の社名は「パイン裁縫機械製作所」。その後、「帝国ミシン」「蛇の目ミシン」を経て、1954年にメーカー色を強調するため、「工業」の二文字を加えて「蛇の目ミシン工業」に変更し、今日にいたる。

同じくブランド名「BRUNO」に社名を統一するのはRIZAPグループ傘下でインテリア・生活雑貨を企画・販売するイデアインターナショナルだ。

「BRUNO」はキッチン家電などのブランドで、今年で10年目。同ブランドで売り出したコンパクトホットプレートは累計販売246万台(6月末時点)を超える大ヒット商品になっており、ブランド名と社名を一本化し、一層の認知度向上につなげる。

インターネット広告事業のFringe81は新事業のサービス名「Unipos」に社名を改める。UniposはITを活用して従業員同士の相互評価・称賛サービスで、今後、経営の大黒柱に育成する方針だ。

新報国製鉄は1949年に2社合併で誕生(前身企業は1939年設立)して以来、実に72年ぶりの社名変更となる。「新報国マテリアル」に変え、幅広い機能性材料を提供できる企業として飛躍を目指す。

ほぼ半数、持ち株会社化が理由

社名変更は例年、年度初めの4月と並んで10月が最も多く、これに1月、7月が続く。

件数を押し上げている主因の一つは持ち株会社への移行に伴うもので、今年10月の17社でほぼ半数を占める。従来の社名に「ホールディングス」「グループ」を加えるのが一般的なパターンだ。

廣済堂は「広済堂ホールディングス」として新たにスタートする。祖業である印刷事業の需要減少などでコア(中核)事業の再構築を迫られており、持ち株会社の下で、情報ソリューション、人材サービス、エンディング(葬祭)の3事業を経営の柱として確立する。

マツモトキヨシホールディングスはココカラファインとの経営統合に伴い、持ち株会社の名称を「マツキヨココカラ&カンパニー」とする。統合新会社の売上規模は9000億円を突破し、ドラッグストア業界でウエルシアホールディングスに次ぐ2位となる。

電気通信工事大手、協和エクシオの社名変更は1991年に協和電設から現社名に改めて以来20年ぶり。新社名は「エクシオグループ」。同社の場合、持ち株会社への移行に伴う社名変更ではないが、グループ全体の司令塔の位置づけを明確にするのが狙い。

マクセルホールディングスは4年間続けた持ち株会社制の廃止に伴い、ホールディングスを外し、「マクセル」とした。

◎2021年10月1日に社名変更する上場企業一覧(証券コード順)

現社名 新社名 主な事業
シード平和 メルディアDC 建設・住宅事業
協和エクシオ エクシオグループ 電気通信工事
日本M&Aセンター 日本M&Aセンターホールディングス M&A仲介
三光マーケティングフーズ SANKO MARKETING FOODS 居酒屋など外食
マツモトキヨシホールディングス マツキヨココカラ&カンパニー ドラッグストア
イデアインターナショナル BRUNO インテリア雑貨
AMBITION アンビション DX ホールディングス 居住用住宅の転貸
SIG SIGグループ システム開発
新報国製鉄 新報国マテリアル 特殊鋼
シグマクシス シグマクシス・ホールディングス

企業のDX支援

蛇の目ミシン工業 ジャノメ 家庭用ミシン
Fringe81 Unipos ネット広告関連
マクセルホールディングス マクセル 車載・産業用電池
京都きもの友禅 YU-WA Creation Holdings 着物など和装小売り
廣済堂 広済堂ホールディングス 印刷、葬祭事業
藍澤證券 アイザワ証券グループ 証券
エフ・ジェー・ネクスト FJネクストホールディングス 投資用マンション販売

文:M&A Online編集部

M&A Online編集部

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