トヨタが満を持して投入した「立ち乗りEV」が残念な三つの理由

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トヨタ自動車<7203>が10月1日に、立ち乗り3輪EV「C+walk T(シーウォークティー)」を発売した。同社は高齢者が気軽に移動できるモビリティーとして「C+walk」シリーズの展開を進めているが、その第1弾となる車両だ。「世界のトヨタ」が満を持して投入した意欲作だが、その出来は「残念」としか言いようがない。なぜか。

残念な理由 その1 高齢者向けなのに、なぜ「立ち乗り」?

トヨタは「C+walk T」の主な用途として「広大な施設内での移動や警備の現場で働くシニア(高齢者)の歩行負担の軽減」を挙げている。しかし、高齢者向けの移動装置に、なぜ不安定な立ち乗りEVを開発したのか疑問が残る。歩行負担だけでなく、立ちっぱなし負担の軽減も必要ではないだろうか。

何も「立ち乗り」にする必要はない。座席付きの電動カートで十分ではなかったか。「C+walk」シリーズでは座り乗りタイプ、車いす連結タイプを追加発売する予定だが、シニア向けとしては最も用途が思い浮かばない立ち乗り3輪EVを最初に投入したトヨタの意図が見えない。

追加発売する予定の「C+walk」座り乗りタイプ。既存の電動シニアカーに近い(同社ニュースリリースより)

1号製品はブランドイメージを決定するだけに、戦略上極めて重要だ。ヒットしそうにない製品で見切り発車してしまうと、「C+walk」シリーズに「失敗作」の烙印(らくいん)が押される。シニア向けでブランディングするのなら、座り乗りタイプか車いす連結タイプを先行して投入すべきではなかったか。

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