実用化近づく「飲む」新型コロナ治療薬 1日1回5日間投与

alt
写真はイメージです

飲む新型コロナ治療薬の実用化が近づいてきた。塩野義製薬<4507>は2021年9月27日に、経口投与タイプの新型コロナウイルス感染症の治療薬の国内第2/3相臨床試験を始めた。

2021年7月から行ってきた第1相臨床試験で安全上の大きな問題がなかったため、軽症者向けの治療薬として、実用化に向けた最終段階の臨床試験に進む。

すでに軽症者向けの新型コロナ治療薬として、中外製薬<4519>の「カシリビマブ」「イムデビマブ」と、英国グラクソ・スミスクラインの「ソトロビマブ」の2種があるが、いずれも点滴による投与のため、入院患者への使用が中心となる。

これに対し飲み薬タイプは、自宅療養者でも簡単に使用できるため、早期治療や医療体制への負担軽減などが期待できる。塩野義の飲み薬とはどのようなものなのか。

ウイルス量が有意に低下

新型コロナウイルスは、増殖する際に3CLプロテアーゼという酵素を必要とする。今回の飲み薬は3CLプロテアーゼを選択的に阻害するもので、塩野義製薬と北海道大学が共同で開発した。

新型コロナウイルスに感染した動物を用いた非臨床試験では、ウイルス量を短時間で有意に低下させることが確認できている。第1相臨床試験でも問題は発生していないという。

今回開始した第2/3相臨床試験では、軽症患者か無症候の感染者を対象に1日1回、5日間経口投与した際の有効性と安全性を評価する。

現在、軽症者や無症状感染者は自宅療養か宿泊療養が中心なっているため、医療機関での実施に加え、宿泊療養者も対象に試験を進める。実用化されれば、インフルエンザの治療薬と同じように、薬局で購入後すぐに服用できる可能性がある。

現在、新型コロナウイルスの治療薬としては、中外製薬とグラクソ・スミスクラインの軽症者向け2種のほかに、重症者向けのレムデシビル(エボラ出血熱治療薬)、デキサメタゾン(ステロイド薬)、バリシチニブ(関節リウマチ薬)の合わせて5種の使用が認められている。

関連記事はこちら
5番目のコロナ治療薬「ソトロビマブ」ってどんな薬
ワクチン接種をためらっている人に朗報「KMバイオロジクス」が国産新型コロナワクチンの実用化を1年前倒し

文:M&A Online編集部

M&A Online編集部

M&Aをもっと身近に。

これが、M&A(企業の合併・買収)とM&Aにまつわる身近な情報をM&Aの専門家だけでなく、広く一般の方々にも提供するメディア、M&A Onlineのメッセージです。私たちに大切なことは、M&Aに対する正しい知識と判断基準を持つことだと考えています。M&A Onlineは、広くM&Aの情報を収集・発信しながら、日本の産業がM&Aによって力強さを増していく姿を、読者の皆様と一緒にしっかりと見届けていきたいと考えています。


NEXT STORY

コロナワクチン開発の塩野義が出資「ロボット学者」の石黒浩氏が立ち上げたAVITAってどんな会社

コロナワクチン開発の塩野義が出資「ロボット学者」の石黒浩氏が立ち上げたAVITAってどんな会社

2021/09/10

塩野義製薬は、アバター(仮想空間で自身の分身として表示されるキャラクター)の活用を目指すAVITA(東京都渋谷区)と資本業務提携した。AVITAのCEOはロボット学者の石黒浩氏。AVITAって一体どんな会社なのか。

アクセスランキング

【総合】よく読まれている記事ベスト5